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フラクショナルレーザーの効果やニキビ跡の経過

近年、ニキビ跡に効果があるフラクショナルレーザーが注目されるようになりました。

フラクショナルレーザーは主にアブレイティブタイプとノンアブレイティブタイプに分かれます。

アブレイティブレーザーは皮膚に無数の穴を空けて、真皮組織を蒸散させます。皮膚内ではコラーゲンが再構築されていきニキビ跡が平坦化していきます。

一方、ノンアブレイティブレーザーは熱凝固作用により皮膚が熱変性するだけで、ニキビ跡への効果は薄くなります。

高い治療結果を期待するのであれば、アブレイティブレーザーを選択すべきです。

ニキビ跡が残ると自然に消えることは難しいため、正しいフラクショナルレーザーを使用して完治を目指しましょう。

照射の強さや治療回数や効果

高出力高密度で照射すると効果的

ニキビ跡に効果のあるフラクショナルレーザーですが、一回では劇的な結果は望めません。凸凹が目立たなくなるには5回、10回単位の照射回数が必要です。

また、照射の出力や密度もポイントになります。フラクショナルレーザーを弱い出力で照射すれば、ダウンタイムは軽くなりますがあまり効果は見込めません。

かといって強い出力で照射すると効果は高まりますがダウンタイムも長くなります。初回であれば弱めの出力で照射してみて、どれ程のダウンタイムになるか確かめることも大切です。

もしも、ある程度のダウンタイムは覚悟できるのであれば、医師と相談の上で高出力・高密度に照射して貰うのも良いと思います。

強めの照射は発赤や一時的な色素沈着は起きやすいですが、ニキビ跡に対する効果は格段に高まります。但し、一週間は肌が真っ赤になるので仕事前や人と会う日は避ける方が良いと思います。

強めの照射出力であれば、数回程度でも目に見えて高い効果が期待できます。弱めの照射で10回掛かって得られる結果が、強めの照射であれば半分程度で済む場合もあります。

また、強いダウンタイムが発生してまで、高い効果を望む人は少ないのも事実です。ある程度の効果が期待でき許容できるダウンタイムになるように、適切な出力を医師と相談してください。

なお、弱めの照射であれば治療間隔は1ヶ月程度でも構いませんが、強めの照射であれば2~3ヶ月は空けることを推奨します。治療期間が空いたからといって、効果が無くなる訳でありません。治療回数が重要です。

フラクショナルレーザーの治療効果は1ヶ月程度で実感する早期段階と3~6ヶ月で実感できる晩期の2段階に分かれます。この点は治療結果を適切に知る上で大切なポイントになります。

1.フラクショナルレーザーを照射すると皮膚の蒸散作用により凸凹部分が滑らかになります。少し良くなったかなと思う時期であり、皮膚の再構築に向けて細胞が修復を始めます。

2.第2段階として、3~6ヶ月も経過すると真皮の修復や増殖が進むにつれて、凸凹部分が平らに盛り上がってきます。

つまり、フラクショナルレーザーの治療効果を実感するには3~6ヶ月程度待つことも大切です。

ここまでのフラクショナルレーザーの内容をまとめます。

  • ダウンタイムを避けるのであれば、弱めの出力で毎月照射します。
  • ダウンタイムを覚悟して効果を最優先するのであれば、高出力・高密度で2~3ヶ月の期間を空けて照射します。

実際に治療効果を実際できるのは数週間~1ヶ月以内と真皮が再構築される約3~6ヶ月後です。

また、フラクショナルレーザーを受けてみて、実際に効果があるかどうかは3回程度を目安に判断します。ニキビ跡の改善が見られれば、治療を継続していきます。

照射間隔を空ける理由

通常は照射間隔を1ヶ月程度空けてから、次回の照射を行うことが正しいと認識されています。もし、照射出力を弱くしたのであればダウンタイムも短いので、1ヶ月程度で構いません。

1ヶ月ごとの治療であれば、10回の照射でも治療期間は10ヶ月です。利益の回転率は良いです。

しかし、標準的な照射出力以上で受けた場合は、肌への負担を考えると最低3ヶ月以上空けるべきです。

フラクショナルレーザーには第二段階として3~6ヶ月で真皮の再構築により効果が現れて、徐々に平坦化していく作用もあります。つまり、3ヶ月以上期間を空けて様子を見ることも大切です。

もし、治療間隔を一ヶ月程度と短くした状態であれば、十分に真皮の再構築が行われずに、再照射をすることになります。

コラーゲンが再構築や増生中に、更に真皮を壊してしまうことで、逆に欠損や瘢痕組織の増加が起こる場合もあります。

治療を急ぎたい気持ちもあると思いますが、大切なことは照射後の十分な回復期間です。

効果がないケース

一度できたニキビ跡は完全に平らにできる訳でありません。いかにして凸凹を目立たなくするかが治療の目標になります。

フラクショナルレーザーでも、過度な期待だけをするのは良くありません。5回、10回と照射回数を重ねて満足する結果になる人もいれば、全く改善しない人や効果が乏しい人もいます。

やはり、凹みが深く組織の癒着や萎縮が強いと、思ったような効果は得られません。

もし、フラクショナルレーザーを受けたいと美容外科に行けば、まず照射してもらえるはずです。しかし、明らかに難しいようなケースであっても不必要に治療が行われているのが現状です。

利益を考えればどのような症状でも受けて欲しいのは事実です。一方で、知識や経験、良心的な医師であれば、「このケースであれば、効果は期待できない。」と助言してくれます。

大切なことは自分のニキビ跡がフラクショナルレーザーで改善できる状態であるのかどうか。また、改善できない状態であれば、他の適切な治療法があるのかどうか。この点の見極めも重要になります。

フラクショナルレーザーの種類

アブレイティブタイプのフラクショナルレーザーはメーカーにより幾つか種類があります。正しく分類すると次の3つに分けられます。

  • フラクショナルCO2レーザー(フラクショナル炭酸ガスレーザー)
  • フラクショナルYSGGレーザー(パールフラクショナルレーザー)
  • フラクショナルEr:YAGレーザー(エルビウムヤグレーザー)

この3つには違いや効果は異なりますが、実際の臨床的な結果としては微妙なものです。

フラクショナルCO2レーザーで改善できるなら、フラクショナルEr:YAGレーザーでも可能です。逆に、フラクショナルEr:YAGレーザーで改善できないなら、フラクショナルCO2レーザーでもできません。

ノーマルな炭酸ガスレーザーとYAGレーザーでは明らかに効果の違いや使い分けが必要ですが、フラクショナルといった枠組みの中では症状により使い分ける程大きな違いがありません。

クリニックでは自身が所有しているレーザーが最も効果的と説明します。他の機種の方が優れているとは言えませんし、当たり前のことです。

最近の傾向としては、フラクショナルCO2レーザーが知名度もあり、人気があります。実際に3つの中では組織の蒸散や熱凝固が一番強いですし、皮膚深部へのエネルギーの到達も良いです。

フラククショナル炭酸ガスレーザー=>フラククショナルYSGGレーザー=>フラククショナルEr.YAGレーザー

但し、3つのタイプを明確に分類する程効果に差が生まれるかといえば微妙です。

そもそも、フラクショナルレーザーで改善できるニキビ跡の状態は限定されます。表皮と筋膜が癒着しているような凹みや皮下組織まで萎縮しているような凹みは、どのフラクショナルレーザーでも改善できなく、別の治療法が必要になります。

また、改善できない凸凹であっても、何度も照射が行われているケースもあります。もしも、知識や経験ある医師であれば別のアプローチから治療することも考えられたのではと思います。

フラクショナルレーザーを3つを所有する意味はありませんし、コストが掛かるだけです。仮に3つを所有しながら、症状によって使い分ける程、差異があるかは微妙です。

それよりも、レーザーの出力や照射方法を考える方が余程重要です。

話しをまとめると、アブレイティブレーザーとノンアブレイティブレーザーには明確な効果の違いがあります。しかし、アブレイティブレーザーの3つの違いは微妙であること。

フラクショナルCO2レーザーを所有しているクリニックを見付けるのではなく、3つのレーザーのどれかを所有する信頼できる医師の元で治療することが何よりも重要になります。

副作用を防ぐ

フラクショナルレーザーの副作用に多い発赤や色素沈着

フラクショナルレーザーで最も起きやすい副作用が、炎症後色素沈着や発赤です。

照射の出力を上げると発生頻度や症状の強さは上がります。また、回数を重ねる程、起きやすくなります。

炎症後色素沈着は月日の経過と共に回復しますが、治りきらない状態で再照射すると更に悪化します。

大切なことは炎症後色素沈着が治まるまで、治療間隔を確実に空けることです。

医師の技術

医師選びや技術のある人を選ぶ

フラクショナルレーザーは誰でも簡単に照射できますが、患者さんの状態に合わせて適切にコントロールする必要があります。そのため、必ず医師が取り扱うべき機器です。

カウンセリングや診察でニキビ跡や傷跡を診察して、照射方法を決めます。

出力の強さや出力の密度により、治療効果も変わってきます。また、照射部位に重ね打ちするのであれば結果も変わってきます。どのように照射するかは医師の技術や経験が問われるところです。

ニキビ跡に悩む人は切実な思いで治療を受けに来ています。何とか皮膚が平らになりたい、普通になりたいと思いを募らせているため、最適な治療結果になるようにしたいものです。

万能に見えるフラクショナルレーザーですが、軽度~中程度のニキビ跡に最も効果を発揮します。一方であまりに深い凸凹跡には効果を望むのは困難です。

凸凹の大きい部分は高出力・高密度に照射を行い、全体を中程度の照射で行うのが良いと考えられています。

治療のまとめ

ニキビ跡治療のまとめ

ニキビが1つできるだけで、その人に取っては悩みの種です。跡が残れば尚更です。

現在、フラクショナルレーザーで治療している人も、これから受けたいと考えている人にも適切な治療の判断材料になればと思います。

以前はノンアブレイティブレーザーが主流の時期がありました。何回治療しても、思ったような満足が得られない人も多くいましたが、クリニックの誇大広告で受ける人が多かったように思います。

最近はフラクショナルレーザーの施術費用も適切な価格まで下がり、手軽に受けれる治療に変わりつつあります。

もしも、ニキビ跡で悩んでいてレーザー治療をするのでいれば、アブレイティブタイプのフラクショナルレーザーを信頼できる医師の元で受けてください。

*この記事は正しい医療情報を元に、専門的な知識により執筆及び内容構成しています。

コメント

  • フラクショナルレーザーにはフラククショナル炭酸ガスレーザー、フラククショナルYSGGレーザー、フラククショナルEr.YAGレーザーの3種類があります。低出力ではそれほど違いがありませんが、高出力になるとフラククショナル炭酸ガスレーザーは熱凝固による皮膚の蒸散が大きく、フラククショナルEr.YAGレーザーは小さくなります。これらの作用により、術後の効果に大きな差が見られるかと言えば微妙です。

    何よりも、高出力で照射するとダウンタイムは大きいものの真皮の深い部分まで再構築ができるため治療効果は上がります。逆に、低出力で照射していては表面の浅い部分だけに効果が及び期待はできません。仮に、高出力で適切に照射を行うには医師の取り扱いが必要であり、カウンセリングでその旨を伝えましょう。

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