デジレルやレスリンを使ったベンゾジアゼピン断薬方法の注意点
ベンゾジアゼピンには依存性があり、薬を簡単にやめることができません。
服用を中断する際は離脱症状が伴うため、漫然と飲み続けている人が大勢います。
ベンゾジアゼピンをやめる方法として漸減法と隔日法があります。
漸減法は4分の1ずつ薬を減らしていき、最終的にやめる方法です。
隔日法は服用する日数を開けて、飲まない日を作る方法です。
どちらの方法もあまり成果が伴わないため、デジレルやレスリンを使った第3の方法も広まりつつあります。
この方法の注意点を詳しく紹介していきます。
何故デジレルやレスリンなのか?
デジレルやレスリンは抗うつ剤の薬です。薬の作用として強い眠気が伴うのが特徴です。
特に眠りを深くする作用があり、不眠症の人に使われることもあります。
抗うつ剤には抗ヒスタミンやセロトニン2A受容体遮断作用があり眠気が伴います。
ベンゾジアゼピンでは、ギャバの作用を増強して眠りに導きます。
つまり、同じ眠気でも薬の作用の仕方が全く異なります。
ベンゾジアゼピンのような不眠症に対する依存性や離脱症状は、デジレルやレスリンにはありません。
そのため、ベンゾジアゼピンをデジレルやレスリンに置き換えて、薬をやめて行こうという方法です。
しかし、デジレルやレスリンにも別の副作用があります。抗うつ剤自体は副作用が強いので別の意味でも問題でしょう。
ベンゾジアゼピンは依存症があるものの重い副作用はありません。一方、抗うつ剤は様々な副作用があるので一概に良いとは言えません。
そもそも、薬で起こった副作用を別の薬で覆いかぶせて治療する方法はあまり好ましくありません。
やはりベンゾジアゼピンをやめるのであれば、抗うつ剤を使用せずにしっかりとやめていくべきです。
もしここで、デジレルやレスリンを使ってやめることができても、本当の意味で依存症や離脱症状に勝ったとはいえません。自分の力でベンゾジアゼピンを止めてこそ、本当の意味で治療が完治します。
ベンゾジアゼピンをやめることができた人は、離脱症状や依存症への恐怖は殆どなくなるでしょう。
また、再度服用しようと言う気持ちはなくなります。
一方、デジレルやレスリンを使って薬を止めれたとしても、再度眠れなくなったときにまたベンゾジアゼピンを服用してしまうという恐れがあります。薬を飲むことが意識付けられている限り、簡単に依存症を脱することはできないのです。
デジレルやレスリンの問題点
ベンゾジアゼピンをデジレルやレスリンに置き換えた場合に、これらの抗うつ剤を長期間飲み続けなければいけないという問題点もあります。
ベンゾジアゼピンは完全に断薬すれば、早い人で数日から数週間で依存症が消えます。
慢性的に長期間飲み続けていた人でも、数日間~数週間で軽減していき、数ヶ月後には8割9割の部分は回復しています。
しかし、デジレルやレスリンに置き換えた場合、これらの薬を数ヶ月~1年に渡って飲み続けることになります。
果たしてこれが本当に良いことなのでしょうか?
他にも、メラトニンやオレキシンに切り替えてやめていくという方法もあります。実際のところ他の薬に変わっただけで、本人がやめるといった意思や依存を克服することには繋がっていません。
しっかりと、ベンゾジアゼピンをある程度まで減らして一気にやめるべきです。
但し、必ず離脱症状は伴います。体が回復するためには避けて通れず、仕方のないことです。
ベンゾジアゼピンをやめるために、抗うつ剤やSSRIやSNRIは石にかじり付いてでも一定期間飲む必要はありません。しっかりと、薬をやめる意志と離脱症状や依存に打ち勝つ意志と共に、適切に断薬する順序を踏めば必ずやめることは可能です。
*上記に掲載している薬の写真は、デジレルやレスリンではなくイメージ画像です。