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うつ病の症状と正しい治療法と抗うつ薬の効果

うつ病の症状や治療法と抗うつ薬の効果とは

うつ病は誰にでも起こりえる「心の風邪」です。症状は無気力、悲しみに沈む、気分が塞ぐ、不眠、不安やイライラ等が主な特徴です。

人口の2~3%にみられ、決して希な病気ではありません。統計によると、一生の内でうつ病になる人は12~15%もいます。

うつ病の初期症状として、倦怠感、疲労、頭重感、食欲不振などの身体症状が現れます。体の疲労が溜まっているのだろうと思い、うつ病に気づくのが遅れます。
うつ病は早期発見と治療が大切です。以下の症状が無いかチエックをしましょう。

うつ病の症状

うつ病の特徴について

朝の不調

  • 早朝に目が覚める。朝の気分が酷く重く憂うつ、布団から出られない。
  • 仕事や学校の身支度が重くだるい。

仕事の不調

  • 午前中を中心に、仕事に取り掛かる意欲が出ない。仕事の根拠が続かない。決定事項が判断できない。
  • 気軽に人と会って話せなくなる。
  • 仕事中に不安でイライラする。
  • 仕事をする自信や展望が持てなくなる。

生活の不調

  • 趣味や好きなことがつまらなくなる。
  • 誰かに傍らにいてもらいたいと思うようになる。
  • 涙もろくなる。
  • 昼過ぎから夕方になるまでは気分が重く沈む。
  • 自分自身が消えてしまいたいと考えるようになる。

身体の不調

  • 不眠(眠れない、寝付けない、眠った気がしない。)
  • 疲れやすい。
  • 体がだるい。
  • 頭痛
  • 食欲低下
  • 性欲減退(異性への興味がなくなる。)
  • 口が渇く

うつ病は、以上のような症状が現れます。
全ての症状が当てはまる訳ではありません。人により症状が変わりますが、概ね2週間以上症状が続く場合は治療が必要です。また、毎日何気ないく繰り返す行為が辛くて出来なくなった場合は、うつ病が疑われます。

うつ病の治療

うつ病を治療する方法

うつ病の治療は、休養と薬物治療が必要です。

休養

治療で一番大事なことは、心と体を十分に休めることです。
仕事が原因の場合は、休養、休職、業務の緩和が重要です。

薬物治療

  • うつ症状を抑える「抗うつ薬」
  • 不安を取り除く「抗不安薬」
  • 不眠を改善する「睡眠薬」

薬物治療を開始して、3ヶ月程度で良くなります。しかし、完治するには最低半年程度の通院・服用を継続することが必要です。
また、可能であれば数ヶ月(3~6ヵ月程度)は自宅療養できると治療効果が格段に良くなります。

うつ病の再発防止

うつ病を再発防止するために大切なこと

うつ病の再発を防ぐには「認知行動療法」「運動療法」「食事療法」が効果的です。

認知行動療法

自分自身の考え方や物事の感じ方の「クセ」を自覚しします。それを見直して是正しながら、感情や反応、認識を自分でコントロールする方法と技術を身につけます。

簡単にいうと、間違いに気づき、考え方を変える方法です。

運動療法

運動は体内に酸素を取り込み、脳への血流が増えて、うつ病の改善に役立ちます。
運動は脳内のセロトニンの量が増えるため、うつ病が良くなります。

ウォーキングや軽いジョギングなどが効果的です。

食事療法

正しい食生活は、抗うつ薬の効き目を高めて、治療を促進します。また、再発を防止する大きな効果があります。

ビタミン、ミネラル、タンパク質などバランスの良い食生活を目指しましょう。

特にトリプトファンという栄養素は、うつ病に効果があります。
何故なら、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの原料だからです。
トリプトファンは、バナナ、牛乳、卵黄、ナッツ、落花生、大豆製品、海苔、マグロ、カツオ、ごまなどに含まれています。

抗うつ薬の効果

抗うつ薬の効果や用法、用量について

  • 抑うつ気分や意欲の低下を改善
  • 不安や焦燥感を鎮める作用
  • 抑うつ神経症、不安神経症、強迫神経症、パニック障害の治療

抗うつ薬の概用

脳内の神経伝達物質の働きを回復させる作用のある薬です。

抗うつ薬には、以下の薬があります。

  • 三環系抗うつ薬
  • 四環系抗うつ薬
  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
  • SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
  • その他(スルピリドや抗不安薬)

うつの病状や体質によって薬が決められます。

三環系抗うつ薬

抗うつ作用の強い薬です。重度のうつ病によく効きます。
副作用には、抗コリン作用(口が渇く、目がチカチカする、便秘、排尿困難など)があります。しかし、うつの治療に欠かせない、効果の高い薬です。

四環系抗うつ薬

抗うつ作用はマイルドな薬です。軽度のうつ病によく効きます。
副作用は、三環系抗うつ薬に比べて抗コリン作用が少ないため、(口が渇く、目がチカチカする、便秘、排尿困難など)が出にくい薬です。

SSRI

脳内のセロトニンを増やす働きがある薬です。うつ病は、セロトニンの欠乏により起こると考えられています。
抗うつ作用はマイルドな薬です。軽度のうつ病、強迫神経症、パニック障害によく効きます。

セロトニンにしか働かないため、副作用は他の抗うつ薬に比べて少ない薬です。
但し、吐き気、嘔吐、下痢、胃腸の不快感などが現れることも多く、胃腸の弱い人には向いていません。対処療法として、胃の粘膜を保護する薬(アスコンプ)や胃腸の働きを良くする薬(プリンペラン)などを同時に服用すると良いです。

SNRI

脳内のセロトニンとノルアドレナリンを増やす働きがある薬です。うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンの欠乏により起こると考えられています。
抗うつ作用はマイルドな薬です。軽度のうつ病、強迫神経症、パニック障害によく効きます。

セロトニンとノルアドレナリンにしか働かないため、副作用は他の抗うつ薬に比べて少ない薬です。他の副作用はSSRIと同様です。

現在では、軽度から中程度のうつ病第一選択薬として、SSRI、SNRIが使われています。

用法と用量

抗うつ薬の効果が現れるには約2週間ぐらいかかります。2~4週間服用して効果があれば、そのまま継続します。なければ増量してさらに2~4週間経過をみます。経過後、効果がなければ薬を変更します。
抗うつ薬は他の疾患治療に比べて、効果がゆっくりであるので長期間の治療が必要です。

通常は薬の作用により、うつ病が良くなってきます。但し、症状が楽になったからといって、自己判断で薬をやめると、病気が再発、再熱するおそれがあります。抗うつ薬は最低半年間は飲み続けることが必要です。