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断薬しにくい睡眠薬や安定剤の種類

断薬が難しい睡眠薬や安定剤の種類

ベンゾジアゼピン系睡眠薬や安定剤は、依存性があり中々断薬することができません。
また、強い離脱症状(不安や不眠)もあるため、本人は止めれないのではないかといった状態に陥ります。

全てのベンゾジアゼピンには依存症があります。非ベンゾジアゼピンも同様です。
依存には、身体的依存と精神的依存の2種類があります。

過去の古い薬(バルビツール)系安定剤や睡眠薬は、脳に直接作用するため、強い依存性や激しい離脱症状がありました。現在はより安全な、ベンゾジアゼピンが主流となっています。ベンゾジアゼピンは、脳内ギャバという物質に作用して不安やイライラを取り除きます。つまり、脳内物質を利用して間接的に脳に働きかけます。

そのため、身体的依存はそれ程強くはありません。極端な話、10年ベンゾジアゼピンを服用したとしても、断薬することができて、自然な体に戻ります。

ベンゾジアゼピンに関しては、身体的依存について、それ程恐れることはありません。

問題は精神的依存では無いでしょうか。薬を飲まないと眠れないという、精神的な依存が形成されると、中々やめることができません。

身体的依存は、数日から数週間で消失します。
しかし、精神的依存は、自分がやめるという強い意志があって初めて成功します。
また、薬を飲まなくても眠れるということに気づくことによって、精神的依存は消えます。

薬がないと眠れないという、自身の良くない考えを克服することが重要になります。

このページでは、さらに断薬しにくい睡眠薬や安定剤の種類を紹介していきます。

デパスの依存性や離脱症状

デパスに関しては、ベンゾジアゼピンの中でも最も強い依存性と離脱症状があります。
デパスの血中濃度の半減期は、約6時間です。つまり短時間型の安定剤ということになります。

短時間型の薬は、耐性や離脱症状が強くなります。薬をやめた時に、薬を飲む前より不眠や不安の度合いが一時的に強くなります。これを反跳性不眠や不安といいます。

この症状は長時間型の薬にも発生しますが、短時間型の薬はとても度合が強いです。

デパスに関しては、一日0.5mgではそれ程心配はありません。しかし、1mgや2mgを服用している方が、一気に断薬したのであれば、急激な不安やイライラに襲われるでしょう。

これらの症状は、数日で消失していきます。まずは、日中のデパスを止めて、ぐっすりと睡眠薬を使って就寝してください。これにより、デパスの離脱症状は克服できます。

デパスだけ服用している方であれば、断薬した時に全く眠れなくなるでしょう。
そのためにも、一時的に他の睡眠薬を利用して、デパスの不安やイライラといって離脱症状だけでも克服すべきです。

その後、最終的に睡眠薬を止めて完全断薬します。

レンドルミンの依存性や離脱症状

レンドルミンは不眠症などの治療のファーストチョイスとして良く用いられる薬です。
病院やクリニックで、不眠症が辛いといえば、マイスリーやレンドルミンが出るのが通常です。

レンドルミンは、入眠効果の高い薬です。初めて服用する人であれば、熟睡して眠ることができるでしょう。その心地よさから、長期間服用してしまう人も多いです。

レンドルミンは、依存性が強いので、長期間服用したのであれば中々やめることができません。
ある日突然やめたのであれば、全く眠れないのが通例です。
また、離脱症状も比較的長く続く傾向にあります。1週間程度は、入眠困難が続くことでしょう。

レンドルミンを服用しても殆ど効果がないという人もいます。こういった人は、ベンゾジアゼピンに耐性が依存性が強く出ています。他のベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用して、効果が感じられなくなって、レンドルミンを服用した場合、その効果は感じられないことでしょう。

レンドルミンをやめる際は、他の睡眠薬に切り替えてからやめる方が断薬しやすいようです。

マイスリーの依存症や離脱症状

マイスリーは非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に分類されます。ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、依存症や耐性も弱いと当初は言われてきました。

しかし、現在ではそれ程大きな違いがあるとは考えられていません。マイスリーにも、依存性や離脱症状、耐性はあります。

初めの内は、1錠で入眠できていたとしても、徐々に効かなくなり10mgに増える人もいます。
また、他の睡眠薬に移行していく人もいます。日本においてマイスリーが最も使用されている睡眠薬です。依存性においては強いものがあります。

しかしながら、断薬したのであれば数日から1週間程度で徐々に自分の睡眠に戻ることでしょう。
その点は安全な薬であるといえます。

サイレースやロヒプノールの依存症や離脱症状

サイレースとロヒプノールは、製薬メーカーが違うだけで同一の薬です。ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中では最も強い薬と言えるでしょう。

アメリカでは、処方や持ち込みが禁止されている薬です。
不眠症になって、初めてサイレースやロヒプノールを使うという人はあまりいません。
多くの人は、他の薬が効かなくなってこの薬に辿り着きます。

サイレースやロヒプノールを服用すると、非常に強い入眠効果や中途覚醒の効果が期待できます。
しかし、依存性や離脱症状も比較的強いため注意も必要です。

断薬する際は、他の薬に変更してやめていくことも推奨されます。

セルシンの依存症や離脱症状

セルシンはベンゾジアゼピンの中でも最も主流の安定剤です。
販売当初から現在においても、不安薬の王様として、神経症や心身症、うつ病、統合失調症など幅広く用いられています。

薬の血中濃度半減期としては、24時間以上あり、長時間型の薬に分類されます。
この長時間型の薬は、ゆっくりと体から排出されるため、不安やイライラといった離脱症状が起きにくいのが特徴です。しかし、不眠症状は強く現れます。

ベンゾジアゼピンをやめる際に、セルシンに置換して徐々に減らすという方法があります。
しかし、セルシンを減らしていくと、一定の量以下になると入眠出来なくなります。
現実的に断薬用には適さない薬です。

長時間型の薬のため、いつまでも体に残り続けるのも特徴です。僅かでも体にベンゾジアゼピンが残り続けるていれば、不眠症の離脱症状は、中々良くなりません。

ワイパックスの依存症や離脱症状

ワイパックスは、安定剤としては良く処方される薬です。
不安やイライラのの効果も強く、切れ味の良い薬です。

ワイパックスにも、離脱症状や依存性はあります。
しかし、臨床的には全てのベンゾジアゼピンの中でもワイパックスが最も止めやすい印象があります。

デパスはやめることができなくても、ワイパックスはやめれるという人が多くいます。
しかし、ワイパックスにも、離脱症状がありますので、急激にやめた際は一時的に不安やイライラに襲われるでしょう。

以上で、断薬しにくい睡眠薬や安定剤の種類の説明を終了します。
全ての薬を紹介することができませんでしたが、概ね同じような依存症や離脱症状があります。

適切に薬のことを知った上で、断薬をしていきましょう。