マイスリーの半減期と作用時間
マイスリーは、非ベンゾジアゼピンタイプに属する超短時間型の睡眠薬です。
マイスリーは、睡眠薬においても強い入眠効果が期待できます。また即効性もあり、すぐに効果が現れます。それにプラスして、作用時間が非常に短いのが特徴です。
そのため、なかなか寝付けないの方「入眠障害」にとって、高い効果が期待できます。
マイスリーの作用時間は非常に短く、素早く体に吸収され短時間で効果が消えるのが特徴です。
この薬の作用時間は、半減期で現すことができます。
半減期は、睡眠薬の作用時間がどれくらい効くのかを知る基準となります。薬が体に吸収されて、その効果が半減するまでの時間を示します。
このページでは、マイスリーの特徴や効果、副作用を検証していきます。
また他のベンゾジアゼピン系睡眠薬との違い、マイスリーが効果的に作用する状況などについて詳しく解説します。また、半減期についても解説いたします。
マイスリーの半減期と作用時間の記事は、過去に運営していたサイト「心の治療ナビ」に掲載していた文章です。現在は運営が終了したため、記事を当サイトで再掲載しています。
マイスリーの半減期
一般的に睡眠薬は、薬の効果を表す半減期が存在します。これらは4つに分類されます。
超短時間型・・・半減期が2-4時間
短時間型 ・・・半減期が6-10時間
中時間型 ・・・半減期が12-24時間
長時間型 ・・・半減期が24時間以上
半減期とは、薬を服用後に体の中に吸収されて全身に広がります。この薬の血中濃度が半分になるまでの時間を半減期といいます。また、半減期に達すると薬の作用が消失します。半減期は、個人差がありますが大体の目安として使用されます。
マイスリーは、半減期が非常に短く、超短時間型の薬に分類されます。服用後、素早く体に吸収され、超短時間で薬が抜けてしまいます。そのため作用時間も非常に短く、入眠時にのみ効果が現れる薬です。
薬の半減期が過ぎて、効果が消失した際は、自然な睡眠に切り替わります。
逆に、他のベンゾジアゼピンにおいて中時間型や長時間型は、半減期が長いため薬が体の中に長くとどまります。そのため、入眠障害だけではなく、中途覚醒にも効果が期待できます。
マイスリーは、「超短時間型」の薬に分類されて、尚且つ他の睡眠薬に比べて、最も半減期が短い薬です。
通常においては、服用してから約1時間程度で血中濃度が最高になります。その後、2時間程度で半減期を迎えて効果が消失します。
これには個人差がありますので、一概には言えませんが大体3時間から4時間は効果が続き、自然な眠りに切り替わります。
入眠障害で困っている方で、寝付くことができれば朝までぐっすり眠れるようであれば、マイスリーは非常に良い薬でしょう。
しかし、人によっては中途覚醒で困る人もいます。こういった方にはあまりお勧めできる薬ではありません。そもそもマイスリーは、作用時間が非常に短いため、中途覚醒には適していません。
また、作用時間が超短時間型という事は、翌日に眠気を持ち越すことがないので、入眠時にのみ効果が現れて欲しい人にとってはメリットでしょう。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の半減期一覧
睡眠薬の作用時間は半減期で分類されます。また半減期は、大きく分けて4種類あります。
マイスリー自体は超短時間型睡眠薬に分類され、その半減期は2時間から4時間程度と非常に短いです。このため、入眠障害を伴う不眠症に使用されます。また、翌日に置いて眠気を持ち越すことがないため、日中の活動が制限されません。
以下の一覧で睡眠薬の半減期を確認しましょう。
睡眠薬 | 成分 | 種類 | 最高濃度到達時間 | 作用時間(半減期) |
---|---|---|---|---|
ハルシオン | トリアゾラム | ベンゾジアゼピン | 1.2時間 | 2.9時間 |
マイスリー | ゾルピデム | ベンゾジアゼピン1型 | 0.7-0.9時間 | 1.78-2.30時間 |
アモバン | ゾピクロン | 非ベンゾジアゼピン | 0.75-1.17時間 | 3.66-3.94時間 |
ルネスタ | エスゾピクロン | 非ベンゾジアゼピン | 0.8-1.5時間 | 4.83-5.16時間 |
レンドルミン | ブロチゾラム | チエノジアゼピン | 約1.5時間 | 約7時間 |
リスミー | リルマザホン | ベンゾジアゼピン | 3時間 | 7.9-13.1時間 |
デパス | エチゾラム | チエノジアゼピン | 約3時間 | 約6時間 |
サイレース/ロヒプノール | フルニトラゼパム | ベンゾジアゼピン | 1.0-1.6時間 | 約7時間 |
ロラメット/エバミール | ロルメタゼパム | ベンゾジアゼピン | 1-2時間 | 約10時間 |
ユーロジン | エスタゾラム | ベンゾジアゼピン | 約5時間 | 約24時間 |
ネルボン/ベンザリン | ベンザリン | ベンゾジアゼピン | 1.6±1.2時間 | 27.1±6.1時間 |
ドラール | クアゼパム | ベンゾジアゼピン1型 | 3.42±1.63時間 | 36.60±7.26時間 |
ダルメート/ベジノール | フルラゼパム | ベンゾジアゼピン | 1-8時間 | 14.5-42.0時間 |
睡眠薬には多くの種類があり、その作用時間も様々です。
自分に合った半減期や最高濃度到達時間の睡眠薬を選んで適切に不眠症を治療しましょう。
最高血中濃度に到達する時間が早い薬は、即効性があります。
上記においては、マイスリー、アモバン、ハルシオンなどの超短時間型の睡眠薬は1時間程度で最高血中濃度に到達します。
そのため、中々寝付けない方にとって素早く入眠することが可能です。
しかし、超短時間型の睡眠薬はすぐに効果が切れるため、長く眠りたい人にとってはデメリットかもしれません。
逆に、入眠後朝までぐっすり眠りたい方、1日8時間睡眠を望む方にとっては、短時間型の睡眠薬を選ぶことが良いでしょう。
薬の種類として、レンドルミンやエバミール、リスミー、デパスが最適です。自分に合った睡眠薬を見つけることが大切です。
薬の種類が様々ありますが、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は効き方に微妙に違いがあります。この薬が合うけど、あの薬は合わないという人もいますので、何種類か試して自分に合う作用時間や強さをみつけてください。
マイスリーを服用して、入眠障害が解消され朝までぐっすり眠れるようであれば、この薬が体に合うと思ってください。中途覚醒などが続くようであれば、他の薬に変更すべきです。
また、入眠障害が解消された後は、徐々に止めれるように薬の量を減らしてください。マイスリーには依存性や耐性もありますので、漫然と長期間続けるのは望ましくありません。
マイスリーの半減期を利用して効果的に使用する方法
不眠症には主に2つのタイプに分かれます。
1つは、中々寝付くことができない「入眠障害」。
2つ目は、途中でが覚めてその後眠れない「中途覚醒」
マイスリーはこの中でも、中々寝付くことができない入眠障害に対して高い効果が期待できます。
一般的に、入眠障害には超短時間型や短時間型の薬が効果を発揮します。逆に、中途覚醒には中時間型や長時間型の薬が適しています。
マイスリーは超短時間型の睡眠薬であり、服用後約1時間で最高血中濃度に到達して、3~4時間で半減期を迎えて素早く効果が消失します。
そのためマイスリーは、入眠障害には非常に良い効果を発揮しますが、中途覚醒には適していません。中々寝付けないものの、1度寝付くことができれば朝までぐっすり眠れる
人に適しています。
中途覚醒による睡眠障害がある方には、マイスリーは効果がありません。中途覚醒に、マイスリーを使用して再度寝付く使い方も考えられますが、依存性や耐性という観点から適していません。やはり、そのような場合は少なくとも入眠時に短時間型の薬や中時間型の薬を服用すべきでしょう。
マイスリーの使い方として、中途覚醒において使用するという方法も紹介します。これは、夜中目が覚めて全く眠れなくなったというときに服用する方法です。中途覚醒したものの、朝起きるまであと数時間と言う場合があります。こういった時に、半減期の長い物を服用してしまうと、翌日まで持ち越して日中の眠気や体のだるさが抜けません。
日中の仕事や学業に支障を来してしまいますので、中途覚醒時に再度服用するという事は十分に注意すべきです。
そのため、マイスリーを使用して短時間寝付く方法もできます。
マイスリーであれば、服用後数時間で効果が消えますので、日中残ったり朝起きれる無くなったりするリスクは軽減します。
睡眠薬の半減期とは
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の半減期について詳しく解説します。
半減期とは薬の効果が半減するという意味ではありません。薬の効果が血液中から半分になり、薬の効力が消失するまでの時間を示します。
半減期は薬の作用時間を知る上で重要な参考値となります。その半減期を知り、自分に合った適切な睡眠薬を見つけることができます。
半減期がわかれば、入眠障害に適しているのか、中途覚醒に適しているのかも一目瞭然です。
睡眠薬において、すべての薬に半減期が存在します。その半減期を元に、入眠障害に苦しんでいる方には超短時間型や短時間型の薬を処方します。逆に、中途覚醒に苦しんでいる方には、中時間型や長時間型の薬を処方します。
以下の図で詳しく見ていきましょう。
基本的に薬は、服用すると素早く体に吸収され血中濃度が上昇します。その後、一気に下降したり、徐々に下降し始めます。
この薬の特徴は、服用後1時間程度で最大血中濃度の「9」に到達します。
その後、5時間程度で血中濃度が半分の「5」に下降します。
血中濃度が半分になるまでの時間は、約5時間です。つまり、この薬は5時間程度で薬の効果が消失します。
この図を見る限り、1時間程度で入眠効果が最大に発揮され、5時間程度で効果が消えていくということが分かります。
半減期は個人差がありますので、あくまで参考のデータとしてください。長期間服用していると、耐性なども生じますので、グラフの推移は軽減していきます。
また、人によって薬を分解する力が強い人や弱い人もいますので一概には言えません。
特に高齢者の方や肝臓が弱っている方は薬の効果が強く現れたり、分解する力が弱いため、半減期が長くなる傾向があります。
マイスリーの半減期を正しく知って、適切に不眠症を治療してください。