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適応障害の正しい治療法と森田療法

森田療法と適応障害の正しい治療法

適応障害とは、就職や離職、結婚、離婚、引っ越し、病気・・生活環境の変化によって、ストレスが掛かり発生する症状です。

ストレス状態になると、1ヶ月以内に発症して、6ヶ月以内で症状は治ります。但し、ストレスの原因が継続する場合は、再発を繰り返すこともあります。

症状

  • 不安
  • イライラ
  • 憂うつ
  • 軽度のうつ病
  • 不眠

上記のような症状が特徴です。病院ではうつ病と診断されるほど重症ではありません。正常とうつ病の中間地点にある病気です。

人の感情変化として、反社会的、攻撃的、反抗的な行動を取るようになります。子供では、指しゃぶりや夜尿症などがみられます。

原因

普通の人であれば、何ともない出来事であっても、人によって感じ方は様々です。ストレスと感じる人もいれば、何とも思わない人もいます。
細かいことを気にする人や完璧を求める人、クヨクヨと考えてしまうなど、マイナスに物事を捉える人は、適応障害になりやすいと考えられています。
つまり、ストレスに対する抵抗力の弱さ(ストレス耐性)から発生する病気です。

例えば、事務職に就いていた人が営業職に人事異動したとします。これは、相当の精神的ストレスになります。しかし、最終的には環境に適応していきます。ここで、対応できなくなると、様々な身体・精神症状が現れて、適応障害になります。

適応障害は、明らかなストレスがなければ起こりません。
そのため、ストレスの原因に対処する必要があります。

ケースA(適応障害)

Aさんは、結婚を期に夫の実家で暮らすようになりました。最初の内は、相手の両親に気を使い必死に頑張っていました。しかし、お姑さんとの仲が良くなく、気分が塞ぐようになりました。
その結果、イライラや不安がでるようになり、憂うつな気分が発生して、適応障害になりました。

Aさんの適応障害の原因は、人間関係や環境変化によるストレスです。これを解決しない限りは、症状は悪化する一方です。結果、「うつ病」に進展することもあります。

ケースB(適応障害)

Bさんは、大学卒業後出版社に就職をしました。夢を描いて仕事に励んだものの、数ヶ月もすると仕事が嫌になりました。翌日の仕事を考えると眠れなくなり、仕事中もイライラするようになります。原因は、自分の思い描いた仕事と違っていたためです。結果として、仕事を退職してしまいます。

これは、一般的に良くある内容です。仕事に適応できずに辞めてしまう人は沢山います。つまり、適応障害は、誰にでも発生するありふれた疾患だということです。また、ストレスの原因を取り除けば、症状が無くなるのが適応障害の特徴です。

治療法

ストレスを軽減または無くすことが一番の治療です。
家庭や職場などでストレスの原因となっていることに対して、環境調整や適応する必要があります。

病院などでは、憂うつな気分には、抗うつ薬。
不安には抗不安薬を使用します。しかし、対処法にしかなりません。

適応障害は、ストレスの原因を無くす努力や適応できるよう対処して、生き抜きましょう。

神経症と森田療法

神経症には、坑不安薬などの薬物による治療が有効ですが、森田療法による治療を併用することもあります。

呆然と坑不安薬を飲み続けるのではなく、不安の原因を探り当て、理解していくことが大切です。

森田療法

東京慈恵会医科大学精神医学の森田正馬教授によって、大正8年頃に開発された独創的な精神療法です。
神経症に効果があり、その中でも強迫神経症や対人恐怖症といった各種恐怖症に対して有効な治療法です。

神経質な人は、不安や恐怖が強く、たとえば動悸を感じたときに、重い病気ではないかと「とらわれ」、そのことばかりに意識を集中さけてしまい、ますます不安や恐怖が強まって、行動できなくなることがあります。

このようなとき、不安や恐怖から逃れようとしないで、そのなかで生きる態度・姿勢を身につけると、症状も軽減することが多いものです。
この態度・姿勢を「あるがまま」といいます。

森田療法では、とらわれのために自己を発揮できないでいることに気づかせ、行動を促し、あるがままの態度・姿勢を身につけるように導きます。

外来治療も可能ですが、とらわれが強い場合は、入院して行ないます。