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ジェイゾロフトの特徴と強さでうつ病を治療

ジェイゾロフトの特徴と強さ

ジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)は2006年に販売された杭うつ薬です。杭うつ薬の中でも「SSRI」という種類に属します。

SSRIは軽度~中程度の症状に効果のある薬で、うつ症状においては治療の第一選択肢になります。従来の杭うつ薬に比べると副作用も抑えられており、効果と安全性のバランスが良いお薬です。

SSRI系の中でもジェイゾロフトは比較的良く処方されています。主にうつ病やうつ状態、不安症状、パニック障害に効果があります。

作用としては脳内のセロトニンの再取り込みを選択的に阻害して、シナプスの隙間内でセロトニンの濃度を高めることにより、治療効果を発揮します。

うつ病が起こる原因の一つにはセロトニンの低下が挙げられます。その他セロトニン神経系の異常で起こるうつ病以外の疾患にも幅広く有効です。

しかし、ジェイゾロフトにも欠点があります。それは、 SSRI特有の離脱症状が起きることです。

SSRIの離脱症状といえばパキシルで有名ですが、長期間服用した後に急激に断薬すると様々な不定愁訴が発生します。同じように、ジェイゾロフトにも離脱症状があると考えられてます。もちろん、パキシルほどではありませんが、断薬するのであれば医師の指示に従い、徐々に減薬していくことが大切です。

この記事では、ジェイゾロフトの特徴と強さを正しく知り、うつ病を治療する方法を解説します。

ジェイゾロフトの特徴

SSRIはフルボキサミンやパロキセチンが承認された後、 2006年に発売されました。ジェイゾロフトは抗うつ作用や、不安作用、抗パニック作用に効果があり、瞬く間に処方量が伸びて人気の薬となりました。

現在は多くの人に処方されており、その効果や特徴もまずまずの印象です。決して強い抗鬱剤ではありませんが、ある程度の効果は有しています。

SSRIそのものの抗うつ効果は穏やかですが、ジェイゾロフトも同じと考えて良いです。しかし、副作用も軽めであり、ある程度は長期間服用するのにも適しています。

近年は様々なタイプのSSRIが開発されており、精神科や心療内科などではジェイゾロフトやレクサプロが良く処方される傾向にあります。

なお、全てのうつ病に効果があるわけではありません。セロトニンが原因で起こるうつ状態や精神疾患に限定されると共に、軽度から中程度のうつ状態に効果があります。

一般的な用法・容量としては、1日1回25mgを服用します。症状に応じては1日100mgまで増量が可能です。薬の効果が最大になる血中濃度は6~7時間です。また、血中半減期が約22~24時間と長いため、 1日1回の服用で良く効きます。

実際に服用してみて、効果がある人とない人に分かれますが、症状に変化がないのであれば医師の指示に従い他の薬に変更することも必要になります。

ジェイゾロフトの副作用

服用開始時は不安感や焦燥感などが増悪することもあります。自己観察しながら、気になる症状があれば直ぐに医師に相談しましょう。

主な副作用としては、下痢、悪心、口内乾燥、頭痛、めまい、眠気などが起こりやすくなります。症状にもよりますが、服用を1~2週間程度続けている内に徐々に軽くなってきます。

どうしても症状が辛い場合は薬の服用を中止して、他の薬に変更することも考えます。

ジェイゾロフトは他のSSRIに比べて、肝薬物代謝酵素であるチトクローム(CYP)を阻害する作用が弱いため、他の薬物との相互作用が少ないと考えられています。つまり、他の薬と併用して服用しても、大きな問題になることはありません。

本剤に過敏症がある人は服用を避けるべきです。また、ピモジド投与中やMAO阻害薬を投与中や中止から14日以内は禁忌です。

便秘・口渇 ふらつき 眠気 不眠 体重増加 嘔吐・下痢 性機能障害
± ++ + ++ +++

断薬や離脱症状

ジェイゾロフトは離脱症状があるため、急激な断薬避けるべきです。大切なことは根本となる病気の症状が良くなってから、慎重に減薬する方法を取ります。

なお、急激に断薬した際は体内の血中濃度が急激に低下して、めまいや不安、イライラ、吐き気、発熱、不眠などが現れます。

断薬する方法としては2~3ヶ月掛けてゆっくりと薬を減薬していきます。

仮に1日100mg服用しているのであれば、2週間毎に25mgずつ減らしていきます。離脱症状が強いと感じた場合は減薬する量を12.5mgなどに減らします。

無事に1日25mgまで減薬すれば、ここから12.5mgに減らして、完全に断薬します。

なお、ジェイゾロフトに限らず、SSRIを服用している人はベンゾジアゼピン系の安定剤や睡眠薬を併用していることが多いです。断薬する順番としては、SSRI→安定剤→睡眠薬のようにします。

複数服用している薬を同時にやめることやベンゾジアゼピンからやめると断薬は失敗します。適切な順番で減薬・断薬を開始しましょう。

処方例

ジェイゾロフトは通常1日25mgから服用を開始します。一週間の間隔を空けながら25mgずつ増量します。1日の最大服用量は100mgまでです。

服用を開始すると4、5日で体内における薬の濃度が安定します。実際に効果が現れるまでには2週間程度必要です。

飲み初めは吐き気や胃腸障害が起きやすいですが、1~2週間程度で慣れてくることが多いです。対処方法としては、メトクロプラミド(プリンペラン)やドンペリドン(ナウゼリン)が効くことがあります。

不眠や不安感を伴う場合は必要に応じて、ベンゾジアゼピンなどの安定剤や睡眠薬を併用します。

うつ状態が改善しても、半年程度は服用を続けることが推奨されます。この期間は症状が再発しやすい期間です。

長期間において、十分に症状が改善すれば減薬・断薬を開始します。

ジェイゾロフトの強さ

ジェイゾロフトは効果が穏やかながら効き目や強さは良い薬です。副作用も比較的少ないため安全性が高いと考えられています。

抗うつ薬の有効性や安全性を示すデータにMANGA studyがあります。フルオキセチンを中心の目安にして、各治療薬がどの程度の効果があるが分析しています。

MangaStudy

画像を見ても、ジェイゾロフトとレクサプロは有効性や安全性は高い評価を受けています。

*ジェイゾロフトの記事に関しては、外部サイトの心の治療ナビで掲載していた記事を再構成しています。また、内容に関しては適切な医療情報を元にして構成しており、医療従事者の監修を受けています。あくまでも参考としてお使いください。