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ベゲタミンの副作用や断薬についての注意点

ベゲタミン副作用を知り断薬すること

ベゲタミンは睡眠薬の中でも非常に強力な薬であり、それに伴う副作用も多い睡眠薬です。安易に使用すべきではない睡眠薬ですが、多くの方が服用しているのが現状です。この薬の特徴や対処方法を詳しく解説します。

ベゲタミンはクロルプロマジン、フェノバルビタール、プロメタジンの合成剤で、ベンゾジアゼピン系睡眠薬を飲んでも眠れない人(依存症、耐性)に使用される最後の砦のような薬です。また、イライラや不安を鎮める強い働きも持っています。

この薬は睡眠薬ですが、うつ病や神経症、統合失調症で起きる不安や緊張にも効果があります。向精神薬の成分と古い睡眠薬であるバルビツールが配合された薬です。そのため、一般的な不眠症の人に使用すべき薬ではありません。

近年において、ベンゾジアゼピン系睡眠薬を使用する人が沢山おり社会問題になっています。ベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用することにより、依存性や耐性が現れます。これにより、薬が効かずに全く眠れなくなる人もいます。こうなると、更に強力なベゲタミンを服用する人が後を絶ちません。今回はベゲタミンの危険性について、臨床を踏まえて詳しく解説します。

ベゲタミンの副作用や断薬についての注意点に関する記事は旧メンタルヘルス配信サイト「心の治療ナビ」に掲載していたものを再編集しています。治療の参考としてお読みください。

ベゲタミンの断薬

ベゲタミンには「A」と「B」の2種類があります。

商品名 ベゲタミンA
薬価 1錠9.30円
成分保有量 クロルプロマジン:25mg
プロメタジン:12.5mg
フェノバルビタール:40mg
商品名 ベゲタミンB
薬価 1錠7.30円
成分保有量 クロルプロマジン:12.5mg
プロメタジン:12.5mg
フェノバルビタール:30mg

ベゲタミンの断薬

ベゲタミンを服用している場合は減薬や断薬を考えずに、一旦はベンゾジアゼピン系睡眠薬に変更することが大切です。その後、ベンゾジアゼピンも減薬や断薬するようにしましょう。

ベゲタミンは強い禁断症状や離脱症状を伴います。しっかりとした減薬スケジュールを立ててください。

臨床例

ベゲタミンの強力な鎮静作用

ここで臨床例を一つご紹介します。不眠症で眠れなくなったAさんは、とあるクリニックで診察を受け「リスミー」を処方されました。最初の内は眠れていましたが、徐々に効かなくなり更なる薬を追加することにしました。次に処方されたのは、ジプレキサでした。これを服用すると非常に強い鎮静作用をもたらしました。

リスミーが効かなくなった時点で他のベンゾジアゼピン系睡眠薬を追加しなかったことは良い判断です。しかし、他のベンゾジアゼピン系睡眠薬に変更することなく、ジプレキサを追加したのは安易だと思いました。

数ヵ月後、更に不眠が悪化したためベゲタミンを処方されます。すると、気絶したように眠くなり強い鎮静効果が得られました。しかし、ベゲタミンは諸刃の剣です。脳に直接作用するため強力な作用がある分、強い依存性があります。これを飲み始めると、容易にやめることは困難です。

Aさんの場合はベゲタミンを服用しながら、仕事を続けるのはとても大変だと思います。しかし、ベンゾジアゼピンが効かなくなった人にベゲタミンが処方されているのが現状です。

なお、ベゲタミンが効かなくなると対処方法が無くなります。全く眠ることができなくなり、最終的に向精神薬であるヒルナミンなどを追加してようやく眠れた人もいます。結論としてベゲタミンは使用すべきでない薬の1つです。

ベゲタミンの感想

ベンゾジアゼピン系睡眠薬が効かなくなった場合は、安易に薬を追加するのではなく、生活習慣の改善や規則正しい生活などできることを行うべきです。また、依存性や耐性により眠れないのであれば、薬を徐々に減らしていくことも大切です。

ベゲタミンは長期間服用していると様々な副作用が発生します。悪性症候群、皮膚疾患、肝臓、胃腸、腎臓、内分泌、精神疾患等の副作用が報告されています。現在服用している方は減薬や断薬、薬の変更をすること重要です。

そもそもベゲタミンは、これ程まで危険であるのに、どうして安易に処方されているのか分かりません。また、古い薬ですので今後製造が中止されることが望まれます。

追記:ベゲタミンは2016年12月31日をもって製造販売が終了しました。