デパスやパキシルの離脱症状と断薬方法
パキシルやベンゾジアゼピンを数年間服用している方で完全に断薬が成功した例を紹介します。
うつ状態がひどくなったためパキシルを服用しました。その後、治療によりうつ病は良くなりました。
しかし、パキシルとデパスが止めれずに数年間飲み続けていたケースです。
薬をやめる順番
抗うつ剤とベンゾジアゼピンを服用している場合は、まず抗うつ剤からやめていきます。
パキシルに関しては離脱症状が強い薬ですので、徐々にやめていく必要があります。
離脱症状としては、頭痛やイライラ、吐き気が脳がシャリシャリするといった特異的な症状です。
薬がなくなったことによって、体が回復しようと離脱症状が現れます。
特に長期間服用していたり、20mg以上服用している方は、離脱症状が強くなります。
この患者さんの場合、1日40mg服用していたため、2週間ごとに10mgずつ減らしました。
20mgまでは上手く減薬することができましたが、ここから離脱症状が強く現れました。
そのため、ここからは2週間ごとに5mgずつ減らすことにしました。
最後にパキシルを止めて、残りはデパスだけになりました。
デパスは、朝晩1mgと就寝時に1mgの合計3mgを服用していました。
デパスはベンゾジアゼピンの中でも特に依存症や離脱症状が強い薬です。
そのため、朝晩のデパスを一気に断薬して、就寝時のデパスは、エバミールの1mgに変更しました。
デパスを断薬を数日間はイライラや不安といった強い離脱症状が現れました。しかし、エバミールを使って就寝できていたため、数日間でデパスの離脱症状は消失していき1週間後にはなくなりました。
このあと1週間程度エバミールで様子を見ます。
その後、エバミールの1mgをワイパックスの1mgに変更します。
ポイントとしては、ワイパックスの1mgを服用するよりは、ワイパックスの0.5mgを2錠にして服用する方が、ご本人にとっては精神的にも服用している安心感があるようです。
1週間程度はワイパックスの1mgで様子を見ます。ワイパックス自体は、すぐに眠気が来るわけではありませんが、2~3時間程度で寝付くことができます。
エバミールは、最高血中濃度が1時間と比較的素早く体に浸透しますが、ワイパックスは2時間の掛かるため、少し眠気の立ち上がりが遅いです。もちろん個人差もありますが、まずはワイパックスに慣れて眠れるようにしてください。
その後、ワイパックスを0.75mgまで減らします。1錠0.5mg+半錠0.25mg=0.75mgを服用します。
それでも少し時間はかかると思いますが、しっかりと眠れるはずです。
ここからが断薬のポイントになります。
1週間程度ワイパックスの0.75mgを続けて、そこからは一気に断薬します。
0.75mgで眠れているのであれば、断薬しても眠りは浅いものの寝付ける状態です。
人によっては、夢を殆ど覚えてるような浅い眠りが続き、1時間ごとに目が覚めるでしょう。
しかし、これは離脱症状ですので、数日から1週間程度続きます。
ここで離脱症状我慢できずに、再度服用することは良くありません。
しっかりと止めれるように頑張りましょう。
2週間程度立てば、眠りは浅いもののまとまって眠ることがきます。
1ヶ月程度経過すれば、全体の7割8割は回復しています。
ここまでくれば、ベンゾジアゼピンの離脱症状は殆どなくなります。
数ヶ月経過すれば離脱症状は克服したと言っていいでしょう。
ワイパックスの0.75mgを一気に止める部分は少し辛い離脱症状が伴いますが、ここを乗り越えることによってベンゾジアゼピンの依存症が克服することができます。
断薬のポイント
パキシルは2週間ごとに徐々に減らしていくのが良いです。
一方日中に服用しているベンゾジアゼピン系の安定剤は、一気に止めることが望ましいです。この時は、離脱症状を回復するためにも十分に眠れるように睡眠薬を利用しましょう。
最終的にワイパックスの0.75 mgに到達したら、一気に断薬します。
断薬の順序
- パキシルを2週間ごとに10~5mgずつ減らしていく。
- パキシルは完全に止めれたら、デパス3mgを一気に断薬して、就寝前のエバミール1mgのみに切り替える。
- エバミール1mgをワイパックス1mgに切り替える。
- ワイパックス1mgを0.75mgまで落とす。
- ワイパックス0.75 mgを一気に断薬する。
- 徐々に自然に寝付けるようになり、ベンゾジアゼピンの断薬が完了。
以上が治療法として有効的に効果が出た方法です。