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サイレースの離脱症状や依存症を克服して断薬する方法

サイレースの離脱症状と依存症を克服してやめる方法

サイレースはベンゾジアゼピン系に属する睡眠薬です。同様の先発品にはロヒプノールがあります。比較的良く処方される薬であり、服用する人も多い傾向にあります。

最高血中濃度は約1~1.6時間で、半減期は約7時間です。ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中では中間型に属します。

不眠症で眠れない場合に心療内科に診察に行くと初診ではマイスリーやレンドルミン、エバミールなどが処方されます。一方、サイレースは他の睡眠薬を試してみて、効かなくなった人に処方される傾向のある薬です。

また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中では最も強い分類に属すると考えられます。それ故に依存症や離脱症状も強い傾向にあります。

漫然と長期間服用した場合に突然断薬すれば、全く眠れなくなります。また、離脱症状としてはイライラや不安、焦りも強くなるはずです。

サイレースを服用している人は断薬する方法がないかと悩むことが多いのが現状です。ベンゾジアゼピンは適切に断薬を開始すれば、必ずやめることは可能です。本来ある自然な睡眠を呼び戻すためにも、しっかりと断薬を進めます。

この記事ではサイレースやロヒプノールの離脱症状を抑えて適切に断薬する方法を解説します。

サイレースとは

サイレースやハルシオンと聞くと睡眠薬の中でも強いとか怖いイメージを持たれがちです。逆にマイスリーは弱く安全でだと思う方も多いようです。

いずれにしても、効果の立ち上がりや半減期はそれぞれ異なるものの、概ね依存や離脱症状は似たようなものです。

初めに簡単な気持ちでマイスリーを処方・服用するようになり、睡眠薬の深みに落ちていく人が良くいます。超短時間型の睡眠薬は最初の頃は即効性があり熟睡できますが、一時の効果です。

数週間や数ヶ月服用を続けると寝付きが悪くなり、量も増えてきます。その場合、医師に話せば睡眠薬の種類を変えましょうと言われるはずです。

概ね、サイレースのような強いタイプの睡眠薬に変更するか沈静系の杭うつ薬を追加されるかです。

既にサイレースを服用している人は睡眠薬の依存症に深く入っている状態です。服用する量が0.5mgや1mgであれば問題ありませんが、2mgを使用しても眠りが困難になればリスクは格段に高くなります。

まずは、自分自身がサイレースに依存していることを認めて断薬する決意が大切です。仮に断薬するのであれば、現在自分がどのような状態にあるのかを考えてみる必要があります。

まず、サイレース以外にも杭不安薬や杭うつ薬、杭精神薬を服用しているのであれば、他の薬からやめていくことが賢明です。仮に、うつ症状や統合失調症が根底にある場合は安易に断薬するのは危険であり、基礎的な疾患の治療を優先してください。

単純に不眠症のみで精神系の薬に依存しているのであれば、完全な断薬に向けてプロセスを歩むべきです。

サイレースの断薬方法

サイレースを正しく断薬する方法

最初に言えることは、サイレース以外の薬を段階的にやめていくことが重要です。例えば、杭うつ剤や杭不安薬をやめてから、最後にサイレースを残します。

良くある間違いに睡眠薬を断薬してから、他の薬をやめていく方法が有効と言われることもありました。これは明らかに誤解であり、最後に睡眠薬を残すべきです。

サイレースは4分の1や2分の1に割って徐々ににやめていく方法もあります。但し、薬が減薬される程寝付きが悪くなります。最初の内は強く断薬を決意したものの、一定の量まで減薬すると全く眠れなくなり断念する人が殆どです。

一度、断薬に失敗すると脳には強いストレスが植え付けられます。「私は二度と睡眠薬をやめることはできない」と自覚して、漫然と飲み続けてしまうのです。

結論からすると、サイレースをやめるのは困難であり、一旦は他の睡眠薬に変更すべきです。方法としては、マイスリーやレンドルミンに変える方法もあります。但し、これらの睡眠薬も同様に強い依存性や離脱症状があるためお勧めできません。

最も断薬に適しているベンゾジアゼピンがワイパックス:ロラゼパムです。ワイパックスは杭不安作用が強い分類にある安定剤ですが、不眠に対する鎮静効果も有しています。

また、薬の立ち上がりである最高血中濃度も比較的緩やかであり、半減期も12時間と適切な領域です。ワイパックスは効果が良いのに対して、断薬しやすい薬です。

なお、実際の断薬方法はベンゾジアゼピンの断薬マニュアルに記載していますので参考にしてください。マニュアルに沿って、サイレースをワイパックスに変更した後、0.75mgまで減薬します。その後、一気に断薬することにより、自然な眠りに就けるようにします。

サイレースを長年服用していた人には少し大変だと思いますが、3年5年と飲み続けるよりは断薬を決意すべきです。人はそもそも自分の力で眠るようにできています。それを睡眠薬に頼るようになり、一時的に機能が低下しているだけです。

サイレースのまとめ

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は5年、10年服用していても、適切に減薬・断薬さえすれば必ずやめることは可能です。

サイレースからワイパックスに変えて減薬→断薬した直後の一週間は最も離脱症状も辛い時期です。眠りも浅くなり、人によっては朝まで寝付けないかも知れません。

しかし、一週間も過ぎる頃には自然な睡眠が7割程度は戻るはずです。また、月を追うごとに熟睡できるようになります。そのため、最初の一週間を乗り越えることが最も大切になります。

ここで、サイレースの断薬方法をまとめます。

  • 服用しているサイレースをワイパックス1mgに変更する。
  • ワイパックス1mgを0.75mgに減らす。
  • ワイパックス0.75mgを一気に断薬する。

ワイパックス0.75mgで眠れる人は臨床的にも軽い依存レベルです。この地点まで到達できれば、自然な睡眠はごく短期間で復活します。

これで断薬ができないようであれば、他の方法を試したところで成功するのは困難です。必ず、サイレースをやめる意志を持ち成功させてください。

睡眠薬の依存症に苦しむ方が一人でも多く救われることを願います。

*サイレースの断薬方法に関する記事は外部サイトの「心の治療ナビ」に掲載された内容を再編成しています。治療に関するアドバイスとしてお使いください。