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フラクセルの失敗と副作用やデメリット

フラクセルのデメリットには失敗と副作用がある

フラクセルは熱エネルギーにより、ニキビ跡や傷跡、開いた毛穴、薄いシワを緩和させる治療法です。

皮膚の1平方cmに1000~2000発のレーザー照射を行います。ダメージを受けた真皮はコラーゲンを増産させて肌が入れ替わります。

一回の照射で約10~20%は皮膚が生まれ変わります。但し、1回で得られる効果は限定的です。通常は10回程度照射すると効果を実感できます。

フラクセルを照射していると、ニキビ跡や傷跡の幅が狭まり、凹みが縮んできます。その結果、傷跡がぼけて薄くなると目立たなくなります。

フラクセルでニキビ跡が良くなる

但し、過度の効果への期待はできません。浅く薄いニキビ跡や傷跡には十分な効果があります。深い凸凹や傷跡には効果は薄く、若干滑らかになる程度です。

単なる肌の若返りを期待して、フラクセルを受ける人もいますが、色素沈着の副作用や失敗があるのも事実です。

この記事ではフラクセルのメリットやデメリットを適切に知り、失敗しないための情報を解説します。

フラクセルとフラクショナルレーザーの違い

フラクセルとフラクショナルレーザーの違いについて解説

ニキビ跡の凸凹や傷跡を改善するレーザーには「フラクセル」や「フラクショナルレーザー」があります。この2つは似たレーザーですが、効果や照射には違いがあります。

フラクセル

フラクセルはNon-Ablative(ノンアブレイティブ・フラクショナルレーザー)と呼ばれ皮膚に照射すると熱エネルギー(熱凝固や熱凝固)により真皮にダメージを与えます。ダメージを受けた部分は再生時にコラーゲンが増産されます。

なお、ニキビ跡の凹みにある瘢痕組織そのものを取り除く作用はありません。

レーザーが皮膚に到達する最大深部は1.4mmになります(フラクセル2の場合)。照射出力の強弱により0.3mm~1.4と変更が可能です。なお、フラクセル1は最大深部は0.9mmです。

フラクショナルレーザー

フラクショナルCO2レーザーはAblative(アブレイティブ・フラクショナルレーザー)と呼ばれ、皮膚に照射すると組織が蒸発・破壊されて、無数の微小な穴が開きます。イメージとしては皮膚を垂直に深く削って無数の穴を開ける状態です。

開いた穴は再生過程でコラーゲンが増産されて、ニキビ跡の凹みが緩和します。

フラクショナルレーザーはニキビ跡の凸凹にある瘢痕組織そのものを除去して、再構築させるため効果は高くなります。

レーザーが届く皮膚の最大深部は2.5mmになり、深い部分まで治療が可能です。

ニキビ跡や傷跡に効果を求めるのであれば、フラクショナルレーザーが推奨されます。

フラクセルには「1」「2」「3」と種類がありバージョンアップしていますが、フラクショナルレーザーの方が効果は数倍高くなります。

ダウンタイムを考えれば、フラクセルの方が短くなります。その分、効果も落ちます。

いずれにしろ、フラクセルとフラクショナルレーザーはニキビ跡や傷跡には効果があります。しかし、ある程度のダウンタイムは覚悟して、確実な効果を期待するのであれば、フラクショナルレーザーを選択してください。

フラクセルの種類

フラクセルには「フラクセル1」「フラクセル2」「フラクセル3デュアル」があります。

  レーザーの波長 届く距離
フラクセル1 1550nm 0.3~0.9mm
フラクセル2 1550nm 0.3~1.4mm
フラクセル3デュアル 1550nm、1927nm 0.3~1.4mm
  • 1550nm・・皮膚の深い部分まで熱エネルギーが届きます。
  • 1927nm・・皮膚の浅い部分に熱が届き、皮膚上層部分に作用します。

ニキビ跡や傷跡に効果があるのは1550nmです。フラクセル3デュアルは1550nmにプラスして、皮膚キメや肌質を改善する効果のある1927nmも照射されます。

言わば、1927nmは補足的な効果だと思ってください。

フラクセル1は皮膚深部の0.9mmまでしかエネルギーが届きません。より、効果を期待するのであれば皮膚深部の1.4mmに到達する「フラクセル2」以上を選択します。

フラクセルの副作用

フラクセルは「すべすべの肌になる」「ニキビ跡が凸凹が改善する」と様々な広告展開がされています。

メリットだけが先行しがちですが、副作用のデメリットがあるのも事実です。安易に受けるだけでなく、リスクや失敗も考えて受けるべきです。

色素沈着

フラクセル照射後に炎症性の色素沈着が発生することがあります。

茶褐色~黒っぽい色素沈着ですが、月日の経過と共に薄くなり消えます。

なお、日焼けしている人やレーザーの出力が高過ぎると必要以上にダメージを受けて、色素沈着がシミになり残ることもあります。

肝斑の悪化

肝斑がある場合はフラクセルは厳禁

肝斑がある肌にフラクセルを照射すると色が濃くなり悪化するため注意が必要です。

肝斑がない又は薄い状態であっても、潜在的に発生しやすい人は術後に肝斑が浮き出てくることもあります。

肌の若返り効果を狙って、フラクセルを顔全体に照射するには色素沈着や肝斑のリスクもあるので、ニキビ跡や傷跡に照射部分を限定することも推奨されます。

ニキビの悪化

ニキビがあるときはフラクセルを受けない

活動性のニキビがある場合にフラクセルを照射すると悪化します。フラクセルは熱エネルギーにより、皮脂腺を活性化します。

そのため、あくまでもニキビが完全に収まり、ニキビ跡の状態になってから受けるようにしてください。

痛み、腫れ、赤み

数日間は赤みや腫れが現れる

フラクセルは照射直後は照射部分が腫れて赤みを帯び、痛みを伴います。これはレーザーにより軽度の熱傷になるためです。

これらの症状は2~3日で収まります。

皮膚のザラザラ

肌荒れやザラザラ感が数日間は出る

照射して3日程度経過すると皮膚がザラザラやガサガサになります。人によっては薄い瘡蓋が形成されます。

一週間程度続く場合があります。

治療の流れ

フラクセルを受けるのであれば信頼できる医師のいるクリニックを見つけてください。カウンセリングや照射、術後経過を一貫して見てくれる医師が必要です。

フラクセルは部分的な照射であれば値段は1回3~5万円、顔全体の照射であれば1回5~10万円程度は掛かります。

医師の時間やコストを考えればある程度の費用は必要です。逆に値段が格安の場合は看護師さんが照射するケースもあります。適切な照射出力や照射方法を考えれば医師が行う必要があります。

フラクセルは1回で効果がある訳ではなく、何度も受ける必要があります。そのため、医師との信頼関係の構築は大切です。しっかりと毎回同じ医師が責任を持ってカウンセリングや照射を行うクリニックを選択してください。

カウンセリング

カウンセリングで気になる症状や治療方針を話す

医師とフラクセルに関するカウンセリングをします。気になるニキビ跡や傷跡をしっかりと説明してください。

洗顔

洗顔で汚れやメイクをきれいに落とす

洗顔料やクレンジングでメイクや汚れを入念に落とします。

麻酔

麻酔クリームで痛みを軽減する

顔に麻酔クリームを塗ります。そのまま麻酔が効くまで約30~60分待ちます。

フラクセルの照射

実際にフラクセルを照射している場面

照射時間は顔全体で20分程度、部分的であれば10分以内です。

医師が患者の症状に合わせて適切にレーザー出力を設定して、照射します。

レーザーの出力が弱いと効果は落ちます。逆に強いと効果は高くなるもののダウンタイムやダメージも大きくなります。

出力や照射方法は経験ある医師が適切に行うべきです。

クールダウン

照射後は肌に熱感やほてりが発生しています。冷却パックなどを使用して30分程度冷やします。

術後

術後は数か月置きに照射する

フラクセルは1回で劇的な効果がある訳ではありません。ニキビ跡や傷跡は10回程の照射で目に見えた効果が実感できます。薄いシワや毛穴の開きであれば5回程度は必要です。

治療間隔は月に一回のペースですが、色素沈着のダウンタイムが続く場合は完全に緩和されてから行います。

治療期間が空いたからといって効果は無くなりません。また、フラクセルによりニキビ跡や傷跡の良くなった部分は元には戻りませんので安心してください。

まとめ

フラクセルのデメリットや失敗のまとめ

フラクセルは熱変性により皮膚にダメージを与えて真皮を入れ替えます。一方、フラクショナルCO2レーザーは皮膚をレーザーで削って穴を開けて真皮を入れ替えます。

どちらもニキビ跡の凸凹や傷跡に対して効果があるのは確かです。

ニキビ跡が薄くなったと実感するには10回程度の照射が必要なことと費用もトータルで数十万は必要になります。

いずれにしてもフラクセルやスターラック1540、アファームなど多数の機器がありますが、フラクショナルCO2レーザーの方が海外では主流ですし、ニキビ跡や傷跡に対しては高い効果を期待できます。

フラクセルは細かいシワの改善や肌のハリを期待するのであれば効果は良いですが、あえてニキビ跡の治療にフラクセルを選ぶメリットは無いと思います。

いずれにしてもフラクセルを受ける場合はメリットやデメリットを知り、信頼できる医師の元で治療してください。