マイスリーの依存症と離脱症状の断薬体験談
マイスリーはベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤です。不眠症に処方されることが多く、睡眠薬の中でもトップシェアを誇ります。
安全性は高く、大量に服用したとしても死に至るようなことは、まずありません。就寝の直前に服用すると数十分で強い眠気に襲われて、寝付くことができます。
内科や心療内科、精神科と幅広く使用されるメジャーな薬です。
しかし、マイスリーには依存症と離脱症状があるため、注意して服用する必要があります。
長期間服用し続けて、ある日突然断薬した際は、離脱症状が発生して全く寝付けなくなります。
私自身は、たまたま内科で睡眠薬を処方されて服用した経験があります。当時は何も知らないまま、意味も分からず服用を開始して、依存に陥り断薬するのに相当の苦労を強いられました。
現在は、自然に安眠できるようになりましたが、この時の辛い断薬経験を紹介したいと思います。
マイスリーとは
睡眠薬と効くと一般的に余り良いイメージはありませんよね。90年代までは非常にネガティブなイメージで服用していると白い目で見られる薬でした。
現在は、若者からお年寄りまで大量に処方されていて、簡単に手に入り処方されるのが現実です。
マイスリーは2000年前後に発売されて、爆発的に普及するようになりました。当時は、依存症や離脱症状も少なく、安全性も高いと報告されていました。
しかし、現在は他のベンゾジアゼピン系睡眠薬と対した差は無く、むしろ断薬はとても難しいと言われています。
初めて服用を開始した場合は、数十分で眠気の波が押し寄せて、そのまま眠りにつきます。薬の効果は2時間程で消えるため、その後は自然な眠りに切り替わります。
服用を初めて最初の内はとても効果があり、安眠出来ますが、徐々に効果は薄れて眠れなくなってきます。
そもそも、マイスリーなどの睡眠薬は短期的に服用することが大切であり、意味なく長期間に服用を続けた場合に依存に陥り断薬が困難になります。
実際に最初は1錠5mgで寝付けていたものの、効かなくなり1錠10mgに増えていきます。
それでも、寝付けないときは、他のベンゾジアゼピンに処方が変わったり、鎮静系の坑うつ薬も処方されたりと、深みに嵌まっていくのです。
つまり、マイスリーがより依存症が強い薬へのゲートウェイ(入口)になることも多々あります。
一般の人はマイスリーに依存があるといっても、実際に体験してみないとわからないと思います。ましてや、医薬品として処方されるので、安全であると認識してしまいます。
しかし、長期間服用して、ある日突然断薬したなら、全く寝付けないことに気づくと思います。ここで、歯を食いしばって断薬できれば良いですが、「自分は薬が無いと眠れない体なんだ。」と誤った認識に陥れば、そのまま1年、数年と睡眠薬の依存に陥ります。
しかし、マイスリーやベンゾジアゼピン系睡眠薬を何年服用しようが、断薬は必ずできます。
薬の依存には、「身体的依存」「精神的依存」の2種類があります。ベンゾジアゼピンの身体的依存は1週間もすれば抜けて、必ず自分の力で眠れるようになります。
問題は精神的な依存です。薬が無いと眠れないと自分自信に暗示をかけてしまう人も多くいます。眠れないことに対する不安やストレスから精神的な依存を形成して、より断薬が困難になってしまうのです。
動物実験では長期間ベンゾジアゼピンを服用させて、ある日突然断薬を開始します。元々動物には精神的な依存はありません。そのため、数日程度で離脱症状から回復して、自然な睡眠に切り替わっていきます。
要するに、断薬開始後の1週間程度を乗り切れば自然な睡眠が必ず回復していくのです。
大切なことは、断薬をする強い意志と決意が何よりも重要です。今日から断薬しようと決意して、布団に入ります。2、3時間経過する内に、「やはり、眠れない」と慌てて睡眠薬に手を伸ばすようでは、中々断薬するのは難しいです。
マイスリーやベンゾジアゼピン系睡眠薬は依存性があるため、断薬できずに長期間服用する人が多く、次から次へと服用する人が増え続けています。
医療機関は処方はしますが、断薬に向けた治療は殆ど行われません。自分自身で決意して、如何に離脱症状を少なくして断薬するか、真剣に考えるべきです。
一度断薬に完全成功すれば再び依然に陥るケースは少なくなります。二度と飲みたくないと脳に刻まれますし、例え再度服用したとしても止め方を体験していれば依存に陥ることは無くなります。
依存や離脱症状の体験談
私自身、たまたま体調不良で内科の診察を受けた際に問診で、医師「眠れていますか」私「たまに寝付きが良くないときがあります。」このようなやり取りの中で、睡眠薬を処方されました。
正直、不眠症ではありませんでしたが、誰しも眠れないときがあると思いますが、その程度の認識でした。
結果、睡眠薬が2週間処方されました。医師から貰った薬なので安全だという認識から、服用を開始しました。
服用当初は、体が起き上がれないくらいに眠くなり、昏睡する程安眠しました。とても効果があると認識して、服用を続けました。
2週間程度服用して、ある日突然断薬すると、全く寝付けなくなりパニックになりました。そこから、再診を受けると追加の睡眠薬が処方されました。
医師は薬は処方しますが、断薬の治療はしません。ここで依存への知識が乏しい大半の患者は依存に陥ります。
私自身、不眠症でもありませんでしたが、薬の依存症が形成されて、深みに嵌まっていくことになります。
最終的に睡眠薬が無いと眠れない体になりました。毎日夕方になると「今日は眠れるだろうか?」「眠れなかったらどうしょう?」このようなことを考えるようになりました。
最終的に薬を服用しても、1~2時間程度しか眠れなくなりました。服用した薬はマイスリーだけでなく、レンドルミン、エバミール、ハルシオンと多岐に渡ります。
その間に何度も断薬を試みますが、いざ断薬しようと決意するものの、結局2~4時間寝付けずパニックになり、薬に手が伸びました。
そのようなことを何度も体験して内に眠れないことへの恐怖で衰弱していきます。
睡眠薬を止めるには、2週間毎に4分の1ずつ減薬していく方法や飲まない日を作る方法などがありますが難しいと実感しました。
更に、ベンゾジアゼピンの断薬マニュアル(アシュトンマニュアル)を使い、セルシン(ジアゼパム)に置換して止める方法を試しましたが、どれも上手くいきませんでした。
そんな失敗の日々が数年間も悶々と続く中で、これでは駄目だと改めて断薬を決意しました。
断薬の方法
まず始めにわかったことは、薬を減らし続けても、ある一定のラインまで減薬すると全く眠れなくなることです。つまり、そのラインに到達すれば、一気に断薬することが大切になってきます。
また、僅かでも服用している内は離脱症状は克服できないこともわかりました。体の中に薬を入れないことが重要になります。
また、人によっては睡眠薬だけでなく、安定剤や坑うつ薬を服用している人もいます。これらを断薬する際は、止める順番も大切になります。
まず、断薬を開始するにはメンタル病気が回復していて、不眠症だけが残っていることが重要です。坑うつ薬や安定剤から断薬を開始して、最終的に睡眠薬だけに残してから止めるべきです。
順番を間違うと止めれるものも止めれなくなります。必ず、睡眠薬を最後に残してください。
さて、話しは戻りますが、睡眠薬を使用して、寝付ける最終ラインまで減薬すれば、そこから一気に断薬することが重要です。
だらだら薬の服用を続けるべきではありません。勿論、断薬した初日は殆ど寝付けないか1時間毎に目覚めるような浅い眠りが続きます。
実際に断薬した日は、浅い眠りで夢を全て覚えているような状況でした。また、30分毎に目が覚めました。
3日間はこのような状況が続きますが、眠るコツを掴み始めます。
一週間経過して、相変わらず1時間毎に目が覚めますが、夢の内容は終始覚えておらず、ある程度深い眠りになってきました。
このときは朝の7時には起床して、眠くなくても必ず22時には就寝することを心掛けます。
また、寝付くのに4時間掛かりましたが、気にしないようにしました。
2週間程経過すると、3時間程度で寝付けるようになり、2時間毎に目が覚めるようになります。徐々に熟睡できるようになりました。
最終的に一ヶ月程度で8割以上は自然な眠りが回復しました。
まとめ
現在は、数年間経過して殆ど完全回復しています。毎日自然に眠れるようになり、寝れない恐怖もなくなりました。
勿論、寝付くのに2時間掛かったりもしますし、2時間毎に目が覚めることも良くあります。
しかし、それが問題ではなく、普通であると自覚することが大切です。子供の頃は10分で眠れて、朝まで熟睡することが当たり前でした。大人になってからは、徐々に眠りが浅くなるのは仕方ないですし、それを病気とは思わないことです。
ましてや、早朝に起床して日中肉体労働をする人であれば、夜はバタンと倒れるように眠れるかもしれません。しかし、頭を使う仕事をしている人は夜なっても覚醒したままなので、成るべく帰宅後は脳を休めてくつろぐべきです。
現代社会は、パソコンやスマートフォンの使用で脳が覚醒して、寝付けないこともあります。悩み事や不安があれば、寝付けません。
これが普通だと自覚すべきです。
今は睡眠薬も止めて本当に良かったですし、健康的です。肌も荒れなくなり、顔色も良くなりました。自然な睡眠は本当に健康に良いと思います。
睡眠薬の断薬は大変ですが、必ず止めることができるので、諦めずに頑張りましょう。
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