サーマクールの失敗や副作用と効果
サーマクールで顔が引き締まり若返り効果を実感する人もいる一方で、失敗して後悔する人もいます。
ここで言う失敗について説明します。後悔する人の多くが思っていた理想の顔と違ったことです。
顔がゲッソリと痩せてしまった。皮膚が弛んだ。顔が老けた。のっぺり顔になってしまった。皮膚が凸凹になったなどです。これらの状態はサーマ顔と呼ばれ、術後に悩んでいる人が多くいます。
サーマクールは皮膚の真皮や皮下脂肪にダメージを与えて、再生変形させます。当たり前ですが、顔の形は大きく変わります。皮膚深部5mmにまで達する熱作用はコラーゲンや繊維組織を収縮再生させます。
単純に5年前、10年前の顔に若返えると思うのは間違いです。
もし、術後に後悔して元の顔に戻したいと願っても不可能です。一度変化した皮膚は数年経過しても元通りにはなりません。皮膚の深部と広範囲に影響が及んでいるため、仕方がありません。
サーマクールは後悔する人が多い施術です。他のレーザーに比べても多いようです。それ程劇的な変化があると思ってください。
元々、顔の肉付きが薄い人やフェイスラインがすっきりしている人が受けると顔が痩せこけます。
サーマクールに適しているのは、顔の肉付きが多い人や頬や顎の弛みが大きい人です。
皮膚の凸凹
サーマクールを受けて皮膚が凸凹になることもあります。
滑らかな部分もあれば、凹んだ部分も存在するため地図のようになります。
そもそもサーマクールは高周波により真皮のコラーゲンを一定率破壊します。その後、コラーゲンが大きく再生されてシワやたるみが改善します。
コラーゲンは均一に破壊と再生が行われないと皮膚にムラが出来ます。
例えば、元の皮膚が100%だとします。サーマクールを照射後に105%になる部分もあれば、95%になる部分もあります。
皮膚は頬と眼の周りでは厚さも違いますし、均一にコラーゲンが再生できないこともあります。
また、サーマクールは皮下脂肪を減少・収縮させます。均一に収縮する部分もあれば、そうでない場合もあるため、真皮と皮下脂肪が凸凹になる可能性も否定できません。
サーマクールの効果
サーマクールは高周波を皮膚内に流して熱作用を加えます。
皮膚の表面に傷はできませんが、皮膚下の真皮~皮下脂肪まで最大深部5mmまでエネルギーが届きます。
一般の人からすると皮膚に熱エネルギーを与えて若返りをするといった簡単なイメージだと思いますが、実際は皮膚下に強い熱ダメージを与えて、コラーゲン破壊、皮下脂肪を収縮させます。
サーマクールは照射が200ショットでは20分程度掛かります。400ショットでは40分程度です。満足のいく効果を得るのであれば300ショット以上が推奨されます。
高周波は皮膚内に照射されると細胞が変性、破壊、収縮されます。皮下脂肪は収縮して顔が引き締まります。真皮で破壊されたコラーゲンは再生される際に大量に作られます。
確実な効果が出るのに1~3ヶ月掛かります。最大の効果は3ヶ月後と考えられています。この間にコラーゲンが沢山作られて皮膚に張りが出てきます。
最終的には半年間は効果が持続します。
照射方法
サーマクールはマーキングシートに沿って照射していきます。
医師によっては単純に照射していくだけの人もいれば、患者さんの症状に合わせてベストな照射を行う医師もいます。この点は施術者のテクニックに左右されます。
例えば、弛みを解消させたい部分に沿って照射したり、工夫が必要です。
また、引き上げながら照射すると皮膚が伸びで深い部分までエネルギーが届きます。
更に、個々の状態に合わせた出力の強さを適切にしたり、効果が出やすい位置を見極めたりと、医師の技術が必要となります。
治療回数
サーマクールは1回で劇的な効果が望めます。人によっては更に効果を得たいがために、半年後に2回目を受ける人もいます。
しかし、皮膚内は強いダメージを受けているため、完全な回復を考えても1年程度は空けることが大切です。
皮膚上の傷であれば、目に見えてダメージがわかりますが、サーマクールは皮膚下~皮下脂肪ですので見た目にはダメージが分かりません。しっかりと期間を置いて、皮膚を回復させてください。
サーマクールとCPTの違い
現在のサーマクールは新開発されたCPTが主流になりました。
従来に比べて、高周波は数回に分割してより均一に照射できるようになりました。また、バイブレーション機能により痛みが低減されています。
リスクや副作用
サーマクールは適切に管理や照射を行えば、副作用は少なく安全性は高い治療法です。
受けた側が思っていた若返りの顔と違うといった状態もありますが、これは副作用とは限りません。
あくまでもサーマクールが原因で起こる合併症や後遺症の副作用について説明します。
火傷
照射中に冷却が不十分だと火傷をする恐れがあります。チップに不良があると照射エネルギーが制御できずに火傷することもあります。純正の新規チップでは、このようなことはまず考えられません。
また、照射のエネルギーが強いと火傷する恐れがあります。適切な照射量を定めて、医師が機器を取り扱うことが大切です。
照射中に患者自身が急に顔を動かすと危険ですので注意してください。
皮下脂肪の壊死
サーマクールは皮下脂肪の組織を収縮させます。必要以上にエネルギーを強くすると脂肪細胞が部分的に壊死して、皮膚が凸凹になることがあります。
適切に医師が照射エネルギーをコントロールする限りは心配ありません。
真皮の破壊
サーマクールは一定のコラーゲンやエラスチンを破壊して、再生を促します。照射エネルギーが強すぎると必要以上に破壊されて、均一に真皮が再生されずに凸凹になる恐れがあります。
適切に照射エネルギーを管理していれば問題ありません。
ニキビの悪化
照射時は皮脂腺が過熱されるため活性化されて、一時的にニキビが悪化することがあります。
サーマクールの認定医
サーマクールにはカリキュラムを受けた認定医制度があります。但し、数時間の講義を受けるだけで手に入る資格です。
認定医=優れた技術者とは限りませんし、認定医だから安心だとは言えません。
サーマクールは認定医ではなくても、経験や技術が重要になります。
格安や激安な料金に注意
サーマクールは消耗品が非常に高額です。先端部チップだけでも1つ10万円(チップの種類による)は掛かります。つまり、採算を取ろうとすると、サーマクールの費用は20万円程度は普通に掛かります。
しかし、数万円で行われているクリニックもごく一部ではあるようです。
通常チップは1回限りの使い捨てタイプとなっていますが、再利用するためのリセッターが非正規に存在しています。また、リサイクル品を集めてリセット後に再販売する非正規業者もいます。アジアなどからの非正規チップも存在します。
これらを使用すると、チップの劣化や故障などにより、高周波の効果が低下したり、制御が出来ずに火傷したりとトラブルになるケースがあります。
受ける側も価格が安いに越したことはありませんが、避ける方が賢明です。
また、看護師やスタッフが施術を行うケースもありますが、医師が適切に高周波の出力や照射する位置を決めなければなりません。
サーマクールは照射時間も30分程度掛かりますで、採算の取れる価格を考慮すれば一回20万円程度が適切だと考えてください。
効果や失敗のまとめ
サーマクールは皮膚のたるみに対して適切に照射する技術があれば、見た目の若返り効果が高い治療法です。
しかし、一方で理想とする顔にならずに失敗や後悔する人も多い施術です。
一度変化した皮膚構造は元に戻ることはありません。単純に若返ると考えるのではなく、十分にリスクもあると認識して受けてください。
コメント
サーマクールをして頬のお肉がなくなった気がします。
これは2度と戻らないということでしょうか。
色々なクリニックにきいたところ、元に戻るクリニックと戻らないって言ってるクリニックがあり、とでも悩んでいます。
皮膚を切ったりしてるわけではないので、肌は再生するとは思うのですが再生しないということでしょうか。
サーマクールの影響がどれくらい皮下に効果が及んでいるかは機種やショット数、チップ、照射方法によって変わるため明確には答えられませんが、概ね熱効果で皮膚や皮下脂肪が収縮して顔痩せしていると思います。
例えば、熱湯を皮膚にこぼしてしまったら、後に皮膚は変形して跡が残ったり収縮します。サーマクールを照射するとこれと同じ原理が皮膚下に起きます。
皮膚表面には影響が出ないため傷は見えませんが、皮膚下では細胞や組織が変形収縮しています。また、サーマクールの照射は皮膚深部5ミリまで到達するため、皮膚以外に皮下脂肪も減少や収縮して脂肪吸引したように痩せます。問題は脂肪細胞が自体が減少した場合は皮下脂肪の部分は元には戻りません。
顔やせした部分がどこまで回復するかが問題ですが、一度変形した組織は元に戻る部分もあれば完全には戻らないことも考えられます。但し、人は日々細胞分裂を繰り返しているため、月日の経過とともに皮膚が馴染んできてある程度の回復は見込めるはずです。2年、3年と経過する内に良くなりますので、希望を持って生きてください。
もう一つ、美容クリニックに相談に行けば、更なるレーザーや脂肪注入を進められるケースもあるため、今後受けないようにしてください。
私はサーマクール受けて良かったです。かなりシワやたるみで老化酷かったですから、キリッと引き締まりました。10歳は若返ったかと思います。
美容外科の先生がこの部分は念入りに打って、ここは弱くとか自分に合うように丁寧に照射してくれました。
マーキング通りに打っても普通の結果しかならないと思いました。技術が要求されますね。半年ごとに受けてメンテナンスします。
年齢に関わらず、元々頬のボリュームが少ない人がサーマクールを受けると、どうしても頬がこけます。
そもそも年齢によるたるみを解消させたくてサーマクールを希望したとします。どのようなケースであれ大抵は受けることを承諾されますが、術後後悔しても後戻りはできません。
カウンセリングではしっかりと術後どのような顔になるのか医師と相談して下さい。場合によってはウルセラやタイタン、イージスヤグなどを勧められるかも知れませんし、ヒアルロン酸やレディエッセ、成長因子などのフィラーも考えられます。
クリニックはその場限りのサービスを提供するだけであって、後の結果を背負って生きるのは他ならぬ自分です。
いずれにしても、今一度本当に必要な施術なのか慎重に考えてください。