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ADHDの原因や症状を治療法で正しく理解する

ADHDの原因や症状を理解して治療につなげる

ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)は、「注意欠陥多動性障害」と呼ばれる精神領域の障害です。

ADHDは、「不注意、衝動性、多動性」3つの症状を特徴とします。言動や行動に落ち着きがなく、その結果、社会的な活動や学業の機能に支障をきたします。

不注意

  • 一つのことに集中するのが困難。
  • 人の話を聞くことができない。
  • 不注意により、失敗を繰り返す。

多動性

  • 同じ場所にじっとしていることができない。
  • じっとできずに動き回ってしまう。
  • 静かにする場面でも、話続けてしまう。

衝動性

  • 思いつけば衝動的に行動をする。
  • 自分思い通りに行かないと怒る。
  • 順番が待てずに割り込む。

以上のような症状が特徴です。自分をコントロールできずに感情のまま行動してしまいます。

ADHDは、7歳前に発症します。また、全体の4%ほどの子供に見られる良くある病気でもあります。しかし、少年期から青年期と長く続くこともあります。
ADHDは、男子に圧倒的に多いのが特徴です。

ADHDの具体的な症状

教室などで、授業中にじっとしていられずに走りまわる。
話を聞かず、おしゃべりを続ける。
一見子供にありがちなことですが、その言動は度を超えています。また、周りから孤立するきっかけにもなり、大人に叱責され、自己嫌悪に陥ります。

このような状態で育った子供は、思春期になると精神的に不安定な状態になります。うつ病や不安神経症、引きこもり、薬物依存、反社会的行動につながる恐れがあります。

まずは、親や教師がADHDのことを知り、子供の言動や行動が悪いのではなく、障害であると理解します。周りのサポートがあれば、子供の成長にプラスに働き、不安定な症状になることを防げます。

ADHDの原因

脳の機能になんらかの発達障害があるといわれていますが、詳しい原因は分かっていません。
脳内のドパミンの作用が部分的に低下していることが指摘されています。

ADHDの治療法

治療薬は「リタリン(メチルフェニデート)」があります。半数以上のADHD患者に効くといわれています。しかし、過去の不正処方により、現在は限られた医療機関のみの処方になりました。(全国に100件ヶ所程度)

現在の投薬治療は、「コンサータ」になりました。
服用すると、不注意・多動性・衝動性の症状が収まります。それにより、気持ちが落ち着いて、集中しやすくなります。但し、食欲不振や頭痛などの副作用もあり、長期間常用するには注意も必要です。

また、子供の発育段階で安易に精神薬を投与することは、脳の発達に影響が出たり、思わぬ障害が残ることも予想されますので、十分に注意して、ADHDもそれぞれの子供の性格や個性として認識することも大切です。

あくまで、対処療法としての治療ですので、子供の内は親や周りの大人が理解してあげることが大切です。

子供の不注意、多動性、衝動性を感じたときは、叱責するのではなく、落ち着いて話を言い聞かせる。してはいけない行動などを予め提示します。また、良い行いや長所などは、積極的に誉めてあげて下さい。具体的に「ご褒美」を与えることが良いとされています。