口臭の原因になる舌苔を舌ブラシで治療
人と話しをしていると、ふと相手の口臭が気になることがあります。口臭があると話しの内容よりも臭いが気になってしまいます。
もし、自分が相手に口臭を放っているとしたら、逆に不安にもなりますよね。自分の臭いは自分では気付きにくく、相手から指摘されることもないため、そのまま放置になることも考えられます。
医学的に見ると、多かれ少なかれ口臭は誰でもあります。
臭いが最も強いのが、一日の中でも起床時です。睡眠中は唾液の分泌が減り、口の中は大量に細菌が繁殖するためです。
その後、唾液が分泌されたり、歯をを磨いたり、食事など日中の活動が進むに連れて、細菌は減少します。その結果、臭いも低減します。
日中に酷い臭いがする場合は何らかの原因が発生しているため、正しく予防や治療する必要があります。
また、口臭がそれ程は酷くは無いのに、自分は口臭が強いと思いこんでしまう人もいます。精神的にも参っていまい、話すことも億劫になるようです。
口臭の治療は一般的な歯科や口腔外科で行います。中には口臭外来の看板を掲げる医療機関も存在します。検査体制もしっかりとしているので、そちらに行くこともお勧めです。
なお、口臭の検査と治療は健康保険は適応されずに自費になります。まずは、歯科検診なども兼ねて相談に行くのが良いと思います。
この記事では口臭の原因や正しい対処方法を詳しく解説します。
口臭の原因
口臭の原因は口の中で発生する要因が9割以上を占めています。逆に、内科的な疾患などは1割以下です。
つまり、口の中をいかにして、良い環境にするかか無臭を維持する上で重要になります。
自分の口臭を気にする人の6割程度は実際に口臭が存在します。現実社会で生きていると、口臭が出ていても相手から指摘されることは無いと思います。家族や仲の良い友人であれば別ですが・・。
まずは、自分に口臭があるということに気付くことも大切です。知らず知らずの内に友人や会社、恋人に悪臭を放っていたとすれば致命的です。
人は口と鼻が繋がっているため、鼻は常に口臭を浴びています。そのため、自分の匂いには慣れて何も感じなくなります。逆に、相手の匂いは新しく別物です。一瞬でも嗅げば敏感に気になります。
口臭の原因にとなる成分は20種類程あります。中でも揮発性硫黄化合物が主な口臭の原因です。更に、揮発性硫黄化合物は3つのガス成分で構成されています。
- 硫化水素
- メチルメルカプタン
- ジメルサルファイド
どれも強烈な臭いがします。
硫化水素
口腔内の細菌が発生させます。卵の腐ったような臭いがします。
舌の汚れや歯の汚れが多いと増加します。
メチルメルカプタン
歯周病や歯の歯垢が多いと増加します。生臭い腐った臭いがします。
ジメチルサルファイド
内臓疾患があると発生しやすくなります。生ごみのような匂いがします。
揮発性硫黄化合物の3成分が占める割合は硫化水素が60%、メチルメルカプタン35%、ジメチルサルファイドが微量です。
3つの成分のどれかが、一定以上に増えると口臭レベルになります。逆に、一定以下であれば臭いは感じません。
口臭の検査
口臭の検査は医療機関で行います。口腔外科であれば次のような検査方法があります。
官能検査
患者さんが息を止めて口を開けます。そして、医師が口の中の臭いを嗅ぎます。
次に、患者さんが口から息を吐きます。そして、医師が臭いを嗅ぎます。
概ね、口臭は官能検査が主になります。
ガスクロマトグラフィー
口臭を機器を使用して調べます。正確な数値として結果が出るため、口臭の度合いが的確に分かります。
専用の注射機に息を吹き込みます。注射機に溜まった空気を口臭測定する機械に注入します。すると、揮発性硫黄化合物の3つの成分が数値として分析されます。
硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドのどれか一つでも基準値を超えていると、口臭ありと判断します。逆に基準値未満であれば、口臭は存在しません。
なお、ガスクロマトグラフィーは機器が高価であり、専門的な医療機関でしかありません。
半導体ガスセンサー
口腔内の揮発性硫黄化合物を測定します。
一般的な口臭測定機であり、一般的な歯科でもあります。
口臭の治療
口臭は「口腔内が原因「と「内科的な原因」では治療方法が分かれます。
内科的な原因
内科的な原因には肝機能低下や糖尿病、消化不良など様々な要因があります。これらをしっかりと内科などで治療することが専決です。
肝機能が低下すれば、毒素の分解ができなくなります。その結果、アンモニア臭が発生します。
糖尿病であれば、インスリンが低下するためケトン体が増加します。これにより、アセトン臭(甘酸っぱい臭い)が発生します。
消化不良であれば、胃や腸内にある食べ物が発酵して悪臭が発生します。なお、胃腸から喉を伝って直接体外に排出されることはありません。食道と胃は括約筋で閉じられているため、ゲップでもしない限りは大丈夫です。
体内で発生した臭いは全身に送られて、肺から排出されます。そして、口臭として体外に放出されます。
内科的な要因はどれ程口腔内を治療しても意味がありません。命にも関わる疾患もあるため、早急に根本を治療してください。
口腔内の原因
口の中の口臭は様々です。急性的な要因としては、食べた物が臭うケースです。例えば、ニンニクや餃子などを食べれば、一日は臭いが残り続けます。
対策として、大事な用事がある日は、臭いの元となる食べ物を避けることです。
次に、慢性的な要因です。
- 虫歯
- 歯周病
- 歯垢(プラーク)
- 歯石
- 入れ歯の不潔
- 口腔ガン
- 舌苔(ぜったい)
- ドライマウス
虫歯や歯石は歯科で適切に治療をしましょう。歯垢は日頃の正しい歯磨きが大切です。
入れ歯も洗浄を怠ると強烈な臭いを発生させます。ポリデントなどで洗うことはもちろん、時々手洗いも大切です。
口腔ガンは命に関わる病気です。早急に大学病院などで治療を行います。
口臭の治療に関してはポイントとなるのが、舌苔です。歯やマウスウォッシュは良くするけど、舌の掃除をしない人は多いです。
舌は平らに見えて、拡大すると凸凹しています。この隙間に食べかすや古い細胞が溜まります。これらが分解されると強い臭いを放ちます。また、粘着性があるため剥がれにくいです。この舌苔には様々な細菌が大量に生息しています。1mg=1億個にもなります。
歯磨きをしても、舌苔の掃除はできません。専用の舌ブラシやガーゼで落とします。
舌ブラシであれば様々なタイプが売られており、ドラッグストアやインターネットで購入できます。Amazonでは種類も豊富です。なお、舌ブラシはプラスチック製が主ですが、擦り過ぎると舌を痛めます。適度な強さで行いましょう。
また、自宅にガーゼがあるなら、指先に巻いて舌を上下に擦れば綺麗に舌苔が取れます。
なお、舌苔の掃除は一日1回で十分です。歯ブラシの後に行えば一石二鳥です。
掃除前
掃除後
他にも、口臭の原因には口腔内が乾くドライマウスがあります。関連記事で詳しく解説しています。
関連記事:ドライマウスの症状と予防や薬などの治療法
口臭のまとめ
口臭は臭いを放ち厄介です。相手の臭いで幻滅することもありますし、自分の臭いが相手を不快にさせていないか心配になることもあります。
正しい歯磨きや歯科治療が基本的に大事です。一時的なその場対策として、ガムを噛んで無臭にすることも良くある対処方法です。また、舌苔を掃除することは口臭を改善するだけでなく予防にも効果的です。
舌を掃除するようになってからは根本的な解決に繋がったと思います。即効性もありますし、舌苔がないだけで臭いは激減します。
しっかりと正しい口臭対策をしましょう。