Ethereum(イーサリアム)で独自トークンを作成する方法
Ethereum(イーサリアム)はスマートコントラクトを備えた独自トークンが作成できる仮想通貨です。
イーサリアムのERC20やERC223を利用して、ICOは比較的多く行われています。
独自トークンが作成できる仮想通貨といえば、XCP(カウンターパーティー)やWAVESが有名で、簡単に作れます。
一方、イーサリアムによる独自トークンは少し手順が難しく、初めての人にとっては難しいです。
この記事ではイーサリアムのERC20に準拠した独自トークンの作成方法を詳しく解説します。
独自トークンの作成準備
Ethereum(イーサリアム)を使って独自トークンを作成するためには次の2種類のウォレットが必要になります。
- MyEtherWallet(マイイーサウォレット)
- MetaMask(メタマスク)
どちらも無料であり、PCで使用ができます。
MetaMaskはGoogleChromeにインストールして使います。
また、独自トークンを作成するための手数料や送金手数料(ガス代)が必要です。大体ですが、0.05ETHあれば良いです。
独自トークンの作成方法
1.まずはイーサリアムを取引所から調達します。0.1ETH程度あれば十分です。
MetaMaskに送金します。
2.次に、独自トークンを作成するための「TokenFactory」のサイトにアクセスします。
URL:TokenFactory
- total supply・・発行枚数
- name・・トークン名
- decimal places・・小数点以下の桁数
- symbol・・トークンの略称
*発行枚数と小数点の桁数は間違えやすいので注意してください。
例えば、発行枚数を1000にして、桁数を4にすると全体の発行枚数は0.1枚になります。
発行枚数を100000000にして、桁数を4にすると全体の発行枚数は10000枚になります。
仮に全体の発行枚数が1億枚で小数点を8桁にする場合は次のようになります。
- 発行枚数・・10000000000000000
- 桁数・・8
これで全体の発行枚数は正しく完成しました。
全体の発行枚数・・100,000,000.00000000
ちなみに、イーサリアムの独自トークンで多いのが桁数が18です。また、ビットコインは桁数が8です。標準的に桁数は18や8がお勧めです。
*トークンの略称とはビットコインであれば、BTCのような略称のことです。
略称は何でも良いですが、MyEtherWalletのトークン一覧内に同じ略称があるとウォレット内に追加することができません。
同じ略称が重複しないように確認してください。
全ての内容を記述したら、「Create Token」をクリックします。
3.自動的にMetaMaskが起動します。「SUBMIT」をクリックします。
4.MetaMaskの送金履歴(トランザクション)が表示されます。
下記画像のContract Deploymentの部分です。ここをクリックしするとEtherscanにアクセスできます。
5.Etherscanに記載されているcontractのアドレスをコピーします。
6.TokenFactoryのInteract With Token Contractにアクセスして下さい。
先程コピーしたcontractアドレスを記述して、「Go to Token」をクリックします。
7.以下のページが表示されるので情報を入力します。
- to:送金先のMyEtherWallet(マイイーサウォレット)のアドレスを入力します。
- amount:送金するトークンの発行枚数を入力します。通常は全ての発行枚数で良いです。
全ての入力が完了すれば、「Transfer Amount」をクリックします。
8.自動的にMetaMaskが起動しまので、「SUBMIT」をクリックします。これで、独自トークンがMyEtherWalletに送金されました。
9.MyEtherWalletにログインして、「お財布情報を見る」>「カスタムトークンを追加」をクリックします。
次の情報を入力して、「保存する」をクリックします。
- contractアドレス
- トークンの略称
- 小数点の桁数
10.これで全ての設定が完了しました。作成した独自トークンがMyEtherWalletの残高に反映されているはずです。
実際に作成にかかった費用は、0.013636ETHと僅かな金額でした。
Etherscan
Etherscanには独自トークンの詳細情報が公開されています。作成したトークンのcontractのアドレスを検索してみましょう。
URL:Etherscan
また、Etherscanには独自トークンのロゴやホームページ、SNSを記載することができます。
1.まずは、Etherscanのお問い合わせページに移動します。
2.「Update Token Info(for Contract Owners)」を選択します。
3.ページが自動で切り替わりますので、項目に独自トークンのcontractアドレスを入力します。
4.「Contract Creator」の部分は独自トークンを作成するときに使用したMETAMASKのアドレスになっているはずです。「NEXT」をクリックします。
5.「Signed message」をコピーします。
6.MyEtherWalletのSign Messageにアクセスします。
7.先ほどコピーした「Signed message」をMessageの欄に貼り付けます。
8.MyEtherWalletに「MetaMask / Mist」でログインします。この時は独自トークンを作成するときに使用したMETAMASKでログインする必要があります。
9.電子著名の作成に成功しました。必要な部分は”sig”:のコードです。
これをコピーして、先程の「Message signature hash」に貼り付けて、「Verify」をクリックします。
10.作成したトークンの各種情報を記述します。
- Choose one・・初めての場合はNew/First Time Token Update(新規にトークンの情報を提出する)、情報を更新する場合はExisting Token info Update(トークンの情報を更新する)、情報を他のトークンへ移行する場合はToken/Contract Migration(トークン契約/移行)を選択します。
- Requester Name・・自分の名前を記述します。
- Requester Email Address・・連絡が付くメールアドレスを記述します。
- Official Site URL・・独自トークンのホームページURLを記述します。
- Link to download a 28x28png icon logo・・28×28pxのトークン画像をpngで作り、独自トークンのホームページにアップロードしてURLを記述します。
- Official Contact Email Address・・独自トークンのお問い合わせE-mailアドレスがあれば記述します。
- Link to facebook・・独自トークンのFacebookページがあれば記述します。
- Link to twitter・・独自トークンのTwitterがあれば記述します。
- Link to whitepaper・・独自トークンのホワイトペーパーがあれば記述します。
全て記入が終われば、「Send Message」をクリックして送信が完了します。
お問い合わせ送信後に3営業日程度で内容確認のメール連絡があり返信する必要があります。メール文に以下のように記載して返信します。
“I hereby confirm that the details submitted are valid and complete and I represent this project.”
これで3~5日程度で無事内容が記載されるようになります。但し、価値がないと判断されれば記載されない場合もあります。
以下のようにロゴやホームページ、各種SNSが表示されるようになりました。これがあるだけで、随分本格的なトークンに見えてきます。
注意点:独自トークンを作成する際に使用したMETAMASKのアカウントは、トークンの所有者を証明するためにも必要です。紛失するとお問い合わせやカスタマイズができなくなります。しっかりと保管してください。
独自トークン作成のまとめ
ICOの9割近くはEthereum(イーサリアム)のERC20やERC223で行われています。やはり、独自トークンを作成するならイーサリアムが一番良いです。
独自トークンを作るのは少し難しいですがプログラムを書く必要もないため、一度作り方を覚えれば簡単です。そのため、どうやって価値を上げていくかが大切です。
ICOをする場合は各国の法律も規制されつつあり、開催は難しくなってきました。しかし、多くの資金を集めることも可能かも知れません。
まずは、ホームページやホワイトペーパー、TwitterやFacebookページも駆使しながら成功を目指してください。
*関連記事ではEthereumを使って本格的なトークン作成を解説しています。併せてお読みください。
コメント
旧トークンから新しいトークンに移行する場合があるとします。
Etherscan内に掲載したトークンの各種情報(WEBサイトやロゴなど)を新しいトークンに移行する場合は、旧トークンのお問い合わせから「Token/Contract Migration」 を選び、新しいトークンのコントラクトアドレスを記載して提出してください。
新しいトークンからお問い合わせを行い、「Token/Contract Migration」 を選択してトークン情報を提出しても、旧トークンには各種情報(WEBサイトやロゴなど)が残ったままになります。
なお、Etherscan内からトークンの各種情報(WEBサイトやロゴなど)を削除する場合は「Existing Token info Update」を選択して不要な各種情報を記述せずに、Comment欄に削除することを伝えて送信してください。
一度作成したトークン自体は削除できませんが、掲載した各種情報(WEBサイトやロゴなど)は削除できます。