タバコを禁煙するコツや治療方法
たばこは体に取って有害であり、多くの人が禁煙したいと思うものの成功できずにいます。自分の意志でやめれる人は全体の5~8%程しかいません。
現在は禁煙外来や禁煙治療も行われているため、積極的に利用してください。成功率も高く、卒煙する一番の近道になります。
この記事では禁煙を成功させるためのコツや治療法を解説します。
たばこの有害性
そもそも煙草が何故、体に悪いか理解することから始めます。漫然と喫煙を続けていても、体にどのような影響が出るか分からなくてはやめる気持ちにはなりません。
煙草を吸い続けるとガンを始めとする様々な疾患の原因になり、多くの人が命を落としている現状があります。
たばこにはニコチンや一酸化炭素など約200種類の有害物質を含んいます。更にプラスして約70種類以上の発ガン物質が含まれています。
長年に渡り喫煙をしているとガンになる可能性が飛躍的に増し、百害あって一利もありません。
代表的な癌は肺ガンが有名ですが、咽頭がんや食道がん、胆がんを筆頭に全身のがんにも影響を与えます。つまり、喫煙はがんをせっせと誘発させるために吸い続けているようなものです。
また、ニコチンは血管を収縮させる働きがあるため、脳卒中や心筋梗塞、狭心症を引き起こす原因にもなります。
また、有害物質により肺組織が破壊させていき、呼吸器系に障害が発生する恐れがあります。
長年に渡り喫煙してきた人の中には呼吸が正常にできなくなる慢性閉塞性肺疾患になる場合があります。こうなると日常生活も困難になります。
この病気は喫煙をしない人には殆ど起きない症状であり、90%以上はたばこに原因があります。
煙草が原因の疾患
- 各種がん
- 脳卒中
- 脳梗塞
- くも膜下出血
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 糖尿病
- 腎臓病
- ぜんそく
このように有害な煙草は人の寿命を男性:8年、女性:10年縮めるデータが出ています。
更には自分だけではなく、周りの人達に影響を及ぼす受動喫煙もあり、他の人の健康を奪い兼ねません。
まずは、たばこの危険性を知り、禁煙したい気持ちを持つことが大切です。
禁煙できない原因
いざ、煙草をやめようと決意しても時間と共に離脱症状(禁断症状)が現れて我慢できなくなるのが一般的です。
禁煙の気持ちとは裏腹にイライラや焦り、落ち着かないなどの症状が発生して、結局は吸い始めます。そもそも、煙草には強い依存性があるため簡単には禁煙できないのです。
依存性には「身体的依存」と「精神的依存」の2種類が存在します。
特に身体的依存は禁煙初期に強く現れます。今まで脳内にニコチンがある状態が正常であったため、一気にバランスを崩して混乱を起こすためです。
体は正常に戻すべく喫煙することを脳に指令しますが、ここで禁煙する状態が続いていくと徐々に脳内が新たな環境に組み立てられてきます。
通常、身体的依存は3~6ヶ月は続きます。特に最初の一ヶ月は辛い時期ですので、ここを乗り越えるのが成功させるコツです。
次に「精神的依存」です。見事に喫煙を成功させた後も、時々吸いたい気持ちになるはずです。
ニコチンにはドーパミンと呼ばれる快感ホルモンを放出する作用があります。人は何年経とうとも以前の心地良さや快感を得たいという気持ちは残るものです。
但し、ここで「1本ぐらい吸ってもいいや」といったことはしないでください。たった一本が新たな入口に繋がるのです。
しっかりと卒煙をしてください。
禁煙外来
病院やクリニックでは禁煙外来があるところも多くなり、禁煙補助薬による治療が可能です。
- ニコチンパッチ
- バレニクリン
ニコチンパッチ
ニコチンバッチは腕やお腹、胸などに貼付けておく薬です。昔からある貼り薬であり、治療の第一選択肢にもなります。
一日一回貼付けておくと、皮膚からニコチンが吸収されるため禁断症状のイライラや吸いたい気持ちを抑えることができます。
特に副作用もありません。皮膚がかぶれたり異常を感じた場合は医師に相談します。
禁煙を続ける内に段階的にニコチンパッチのサイズを大、中、小と減らしていきます。卒煙の目安となる期間は二ヶ月です。
この方法でやめれる人もいれば、できない人もいるため一概に万全な治療とはいえません。
煙草を吸いたい欲求は消えないため、気付けばニコチンパッチを貼りながら喫煙している人もいます。
ニコチンバッチで禁煙を失敗した場合は再度続けてもやはり上手くいかないケースも良くあります。
但し、気軽にできる治療であり、薬局やドラッグストアでも購入できるため始めてください。
なお、薬局にはガムタイプの「ニコチンガム」も存在します。成分にニコチンが含まれており、煙草の代わりになります。ガムばかり噛むようになり、結局は成功しない場合もあります。
バレニクリン
バレニクリン:商品名チャンピックス(CHAMPIX)は服用するタイプの禁煙補助薬であり、煙草を吸うと不快な気持ちにさせる作用があります。
脳内のニコチンが作用する部位にバレニクリンが結合するため、タバコを美味しく感じなくなります。
人は快感を得ると再度欲求するようになりますが、不快に感じれば二度は避けるようになります。根本的にタバコが不味いと感じれば吸いたい気持ちもなくなります。
バレニクリンの成功率は7割程度と高く、禁煙が成功した半数以上は数年後も禁煙を持続しています。健康保険も適応されるため試すべき治療です。
但し、吐き気や胃腸系の副作用も出るため、医師と相談の元で正しく服用してください。なお、ドパミンの放出量は微量であるため依存性はありません。
バレニクリンの服用は1日1回です。一週間掛けて常用量まで増やしていきます。この間はタバコを吸い続けても構いません。その後は、完全禁煙を実行しながら3ヶ月で5回受診します。
電子タバコ
水蒸気が発生するだけの電子タバコが市販で販売されています。
ニコチンが含まれておらず、単独で禁煙に使うのは難しいですが、ニコチンバッチやバレニクリンと組み合わせるのも良いです。
禁煙中の口さみしい時の対策になります。なお、卒煙した場合は電子タバコもやめましょう。ふとしたきっかけで喫煙の入口にさせないためです。
禁煙の体験談
タバコは体に良くないと分かっていても、いざやめるとなると離脱症状が強くて中々上手くいきません。自分の意志だけでは難しいと思います。
禁煙直後の数週間はイライラや不安、吸いたい気持ちが出てきてパニックになる場合もあります。
この期間を乗り越えることができれば、後はスムーズに事が運ぶのですが・・。自分の力では困難と思ったなら、禁煙外来に行きましょう。
ニコチンパッチはどちらかと言えば、自分の意志にプラスして離脱症状を抑えていくタイプの治療です。現実的には成功する人は数十%あるかどうかです。
一方、バレニクリンはタバコは不味いと脳に認識させることができて、成功率は良いと思います。
人の命には限りがあるものの、人生を生きていく上で健康を真っ当したいものです。しっかりと卒煙してください。
禁煙のまとめ
タバコの有害性が広く知られるようになったことや販売価格も上昇を続けた結果、吸う人も減ってきています。喫煙は体に良くないため、禁煙や卒煙を目指してましょう。
最初に大切なことは体への有害性を知り、やめる決意を持つことです。そして、禁煙に向けた治療やプロセスを歩んでください。