FGF注入の危険性としこりのケナコルト治療
FGF注入は線維芽細胞を活性化させて、皮膚内のコラーゲンやエラスチン、血管に至るまで様々な細胞を増殖させる作用があります。
一見すると皮膚の細胞が増えて良いことだと思われますが、制御できず増えすぎて皮膚が凸凹やしこりになり危険です。
FGFが開発された当初は自分の細胞が増えるといった宣伝から多くの人が受けました。異物を注入する訳ではなく、コラーゲンを増やすため若返りに良いだろうと安易に考えたためです。
注入治療といえばヒアルロン酸注射が有名で、目の下のクマやほうれい線に打つ人が多く、安全性は高い治療法です。しかし、数ヶ月~半年で体内に吸収されるため持続性がありません。そのため、継続的に受けるには毎回数万円程度の費用が掛かります。
そんな時、FGF注入が世に出てきました。自分の細胞を増やし根本的に治療するため、費用も毎回掛からない。体にも安全だと信じて受ける人が大勢いました。
その結果、皮膚が予想以上に膨らみすぎて凸凹になるなど失敗に悩む人が多く現れたのです。
FGFは皮膚に注入すると、2週間~一ヶ月で真皮内の繊維芽細胞が強力に増殖します。適度な割合で制御できれば良いですが、コントロールは困難です。
目の下のくまに注入した場合は皮膚が平らになる以上に膨らみ、違和感が生まれます。増殖効果は半年~1年とも考えられて、最終的には理解を超えるような形まで膨らむこともあります。
問題は自分自身の細胞であるため、元に戻すことは困難です。人工物であればリスクはあるものの取り除くことができます。しかし、増えた細胞は上手く除去することはできません。
人間の体は精密に設計されていて、皮膚の真皮は全体が均一に成長して、歳と共に均一に減少していきます。部分的に皮膚に傷ができても、元の形に戻すべく細胞が再生されます。
一方、FGFは線維芽細胞増殖因子が含まれており、皮膚の注入部分では強力に細胞を活性化されて変化します。皮膚の均一な構成を崩壊させて、取り返しの付かない状態になります。
前回FGFの失敗例や副作用を取り上げました。今回もリスクを詳しく紹介します。
関連記事:FGF注入注射の失敗と危険な副作用
FGFの失敗例と画像
FGFは顔のどこの部分にも注入が可能です。取り分け多いのが、目の下のくまに注入する失敗例です。
目の下は皮膚が薄く、元々くまになりやすい部分です。この部分にも注入すると予想以上に凸凹やしこりになります。
次の画像は通常の皮膚です。
FGFを注入した後の失敗例として、イメージ画像を掲載します。
一旦、繊維芽細胞が活性化されると皮膚が盛り上がり腫れてきます。この時は眼鏡を使用して、見た目をごまかすしかありません。
何よりも、日を追うごとに膨らみが増えるため、不安になると思います。ここで焦って再手術をしてはなりません。
最終的に皮膚の形が落ち着くのに1年は掛かります。その頃を見計らって修正治療を受けてください。
再手術の方法としては、「切開手術」や「ケナコルト(ステロイド注射)」があります。目の下であれば、経結膜脱脂があります。
経結膜脱脂は下まぶたの裏側から脂肪を切除する方法です。但し、FGFの失敗で再度修正手術するのはリスクも伴います。
しっかりと信頼できて技術のある医師を探して、十分にカウンセリングを重ねてください。
ケナコルト(ステロイド注射)で修正
その他の対処方法としてケナコルト(ステロイド注射)があります。但し、FGF同様にコントロールが難しく、安定した効果は保障できません。一か八かの対処方法ともいえます。
ケナコルト自体は炎症を抑える作用と細胞を萎縮させる効果があります。また、注入した部分に作用するため、全身に及ぶ副作用はありません。ステロイドの強さとしては中程度になります。
FGFで盛り上がった皮膚部分にケナコルトを注入すると、2~3週間掛けて皮膚内の組織を萎縮させます。ケナコルトの持続期間は2週間で、その後体内に吸収されていきます。
慎重に適切な量を注入できれば、細胞が萎縮して凸凹やしこりが平らになります。しかし、予想以上に効果が出ると皮膚が陥没する恐れがあります。特に正常な皮膚に打つと萎縮して陥没します。
そのため、ケナコルトを使用する場合は経験豊富な医師の元で受けてください。
現時点では、FGFのしこりや凸凹にはケナコルトだけが最善の策です。
まとめ
最近はFGFの危険性が広く知れ渡り、受ける人も減少しました。更に良心的なクリニックでは取り扱う所も減りました。
一方で、長年に後遺症に渡り苦しんでいる人が多くいます。凸凹やしこり、肉芽腫は命に関わるような副作用ではありません。しかし、見た目に影響が出て、精神を崩してしまう人が殆どです。
FGFを知らない人は間違っても受けないでください。一度注入すれば取り替えしは付きません。また、FGFを受けて後遺症で苦しんでいる方は、むやみに再手術をせずに慎重になってください。
唯一の対処方法としてはケナコルトぐらいしかありません。しかし、前述した通り信頼できる医師を見つけてください。
一人でも苦しむ人が良くなることを願っています。
コメント
egfやfgfを塗る場合でも同様な症状になるのでしょうか?
また、コラーゲンを増やしつつ均一な肌質を作る為には、ポリアミンやビタミン、アルギニン等を補給するのが宜しいのでしょうか?
egfやfgfを塗っても効果はありません。注入すると問題になります。
ポリアミンやビタミン、アルギニン等を摂取し続けても、コラーゲンをより増やすような直接的な効果はありません。