顎関節症の完治と治療期間の体験談
顎関節症を10年来抱えており、何かと関節の痛みが続いています。最近は常に左の顎関節症が痛くて仕方がないのです。
最初の頃は痛みも数日経てば治っていましたが、10年も経過すると何もしなくても、常に関節部分が圧迫感があるような感じになっています。
顎関節症で良くないのが、顎のクリック音を鳴らすことです。口を大きく開けると左顎が「パキッ」と外れて音が出ます。
例えば、指をポキポキ鳴らすのと同じ原理です。顎関節症の人は癖で無意識に顎を鳴らしがちです。「パキッ」と外れる音が出ると、スッキリするからです。
これを毎日続けていると、数年もすれば関節円板や顎頭骨の形も変形して口を開けるにしても小さな音が出たりします。
最も怖いのが何もしない安静時であっても、常に筋肉部分に骨が押されているような圧迫感が出てきます。
慢性的な顎関節症は完治は難しいため、日々のセルフケアで共に生きていくしかありません。
このブログでは顎関節症の治療期間や完治までの道のりを体験談として紹介します。
顎関節症の治療法
顎関節症で大切なことは不用意に顎を鳴らさないことです。まずは、意識的にやめることを徹底します。
口を大きく開けたり、顎を横にずらしたりすると、限界を超えて「パキッ」と音が鳴りますが、無意味に続ければ悪化するだけです。まずは、安静にすることが大切です。
また、固い物を噛んで顎を鍛えることはやめるべきです。小さい子供が顎の発育を促すために固い物を食べるのは効果がありますが、顎が完成された大人が固い物を噛む訓練をしても無意味です。更に、顎関節症を悪化させる要因になります。
全て軟らかい食べ物ばかりにすべきではありませんが、意図的に固い食べ物を選ぶのはやめましょう。
また、悪い姿勢も体中の骨に負担を掛けるため良くありません。骨盤、背骨の負担が首や顎にも影響を少なからず与えるためです。意識的に背筋を伸ばして、正しく椅子に座るなどしてください。
噛み合わせ治療
顎関節症で昔から言われているのが、噛み合わせを治せば顎の症状は回復することです。
但し、最近の医学では噛み合わせは様々な要因の中の一つに過ぎないと考えられています。
私自身も噛み合わせを疑って治そうとしましたが、下手に削ったり詰めたりすると更にかみ合わせがアンバランスになる場合も多いです。
例えば、左の噛み合わせが低いと思って歯医者にいきます。「この部分を詰め直してください」と言って治療をしました。しかし、余計に噛み合わせが変になりました。
また、歯医者にいき不用意に噛み合わせ治療を頼むと、至る所を削られて噛み合わせが崩壊します。
そもそも、歯を削ることはアナログな治療のため、歯科医によって治療結果が左右されます。子供のころから成長していく内に、手に入れた噛み合わせを不用意に変えると散々な結果になります。
是非、注意して欲しいです。
なお、虫歯を治療して噛み合わせが違和感がある程高くなったのなら、削った方が良いです。逆に放置するのは良くありません。
マウスピース治療
顎関節症で良くある治療法がマウスピース治療です。顎の筋肉を伸ばしたり、顎を安定化させる、上下の関節を広くする作用があり、痛みを改善する効果があります。
就寝中に付けるタイプと一日中付けるタイプがあります。また、上顎に装着するタイプもあれば、下顎に装着するタイプもあります。
いずれにしても、一時的な対処法だと思ってください。
マウスピースを何個も作りましたが装着すると滑舌が悪くなり話にくさは常にあります。また、唾液の循環も悪くなり、虫歯ができやすくなります。
更には何年も装着していると、歯並びがオープンバイト気味にもなる場合もあります。
つまり、マウスピースを使うのは痛みがある間に短期間に渡って使うべきです。
もちろん、就寝中の歯ぎしりが酷い場合はマウスピースを使った方が良いとは思います。
ここでお勧めしたいのが、部分的な1本の歯に装着するマウスピースです。痛む側の顎関節の上の歯に次のような被せ物を作ります。
装着する位置は前歯から4番目です。レジンで5分もあれば作れます。
部分的なマウスピースだと話にくさもなく全く目立ちません。いつでも付け外しができて便利です。
装着するとマウスピースをある分、噛み合わせが高くなり僅かに口を開けたような顎の位置になります。これで、不思議と痛みが消えます。
ちなみに、食事をするときは外します。一度、作成すれば無くさない限りは10年は使えます。
また、治療期間としては痛みがある時だけ使用して、良くなったら装着をやめます。小さいパーツですので無くさないように注意してください。
さて、この部分的なマウスピースは自分では作れません。歯科医に頼むしかありません。
但し、この治療方法を知っている歯医者は中々いないのが現状です。上手く説明したとしても、断られることもあります。
私自身も「何それ?」と歯科医から言われて、取り扱って貰えませんでした。
出張先の歯科で立ち寄った時に作って頂けたのが名古屋にある川本歯科医院でした。
先生も顎関節症を患っていたことがあり、部分的なマウスピースを作ってくれました。
もし、症状で悩んでいるなら、一度作成をお願いしてみるのも良いかも知れません。ついでに、歯の歯石除去も一緒にしてください。
顎関節症の手術
顎関節症が悪化し過ぎて、日常的に痛みが続く場合もありますが、それでも手術は不要です。大学病院の口腔外科に通院したとしても、マウスピース治療が主であり、手術に踏み切るケースは1%もありません。
ここで顎関節症の手術について3つにまとめます。
関節腔内洗浄療法
顎の痛みが続く場合は、痛みの原因物質が溜まっていることがあります。通常であれば、炎症さえ収まれば代謝によって消えていきます。
しかし、中々消えない場合は針を刺して直接、関節内部に溜まった炎症物質を洗い流します。場合によっては、関節内に薬を注入する方法もあります。
関節鏡手術
関節円板が癒着を起こして口が開きにくい場合は内視鏡を使って剥離する手術を行います。耳の前に2~3mmの穴を空けて行います。癒着があっても、口が開くのであれば安易な手術は不要です。
関節開放手術
顎関節症も末期になると関節円板はボロボロになり、組織に神経や血管が入り込んで痛みのコントロールができなくなります。ここまで悪化すれば、関節円板を除去する手術が必要になります。
但し、この手術は最終手段です。例え、関節円板が変形していても、周りの組織と馴染んで適応することも多いため、除去することは最後の最後まで選択しない方が良いです。
昔は関節円板に手術をすることが多かったですが、予後は余り良くなく障害が残るケースもありました。現在は、保存療法が主流であり、如何にして上手く付き合っていくかが治療のポイントになります。
顎関節症のまとめ
顎関節症の治療体験談を解説しました。慢性化した顎関節症は完治することはありませんが、生きている限りは上手く付き合っていくしかありません。
顎を鳴らしたり、固い物を食べずに負担を減らしましょう。
痛みが酷い時はマウスピースを使って凌ぎながらも生き抜いていきたいです。