汗疱状湿疹の原因と症状と治療法
汗疱状湿疹の原因、症状、治療法などを情報配信しています。汗疱状湿疹とは、手掌・足底に痒みを伴う小水疱が出現する湿疹性の皮膚疾患です。
汗疱状湿疹の原因
汗疱状湿疹とは
汗疱状湿疹とは手のひらや指先、足先や足の裏に、時に痒みを伴う小さな水泡が多数現れる再発性、湿疹性の皮膚疾患です。
異汗性湿疹、汗疱とも呼ばれています。
汗疱状湿疹の原因
- 発生の原因は明らかでありません
- 食べ物
- 石油系(界面活性剤)の洗剤
- 歯科金属のアレルギー
- 汗の多い人
汗疱状湿疹の発生の直接的な原因のメカニズムは明らかになっていません。
しかし、夏季に指先に汗をかきやすい人に多いことから、汗が上手く排出できずに皮膚内のpHが低くなり炎症や水泡性の湿疹を誘発させていると考えられ、汗が間接的に影響を及ぼしているといわれています。
汗疹や接触皮膚炎の特徴に似かよった病態ですが、汗腺自体に異常はなく皮膚から上手く汗を排出できないことから起こると考えられています。
また、食べ物や石油系(界面活性剤)の洗剤や歯科金属中の金属が微量に体内に入ることによって蓄積され起こる一種のアレルギー反応が原因になっている場合もあります。
喫煙やストレス、自律神経失調症といったものが関係するかどうかの因果関係は不明であり、直接的に影響を及ぼしている可能性は低い。
アレルギーの原因
食べ物がアレルギーとなっている場合は接手を中止します。また石油系(界面活性剤)の洗剤を使用して起こる場合は他の製品に変えることや無添加、石鹸由来の洗剤・シャンプー等を変えます。
歯科金属が微量に体内に入ることによって起こる場合はパッチテストを受けます。
しかしながら、発生の直接的なメカニズムは不明ですので根絶治療を考えずに汗疱状湿疹と上手に付き合っていくことが必要です。
汗疱状湿疹の症状
汗疱状湿疹の症状
手のひらや指先、足先や足の裏に汗をかいたときに透明で小さな水泡が多数出現します。特に指の葉面によくみられます。
小さな水泡はやがて剥がれ落ちて、皮膚がカサカサした状態になります。
通常は痒みはありませんが再発を繰り返すと皮膚本来のバリア機能が失われます。そのため水泡が発生する初期段階で痒みが発生することがあります。
一部は水泡同士がくっつき合って米粒大まで大きくなり、2~3日経つと黄色く変色してくる場合があります。
その場合は、黄色ブドウ球菌が繁殖して食中毒の原因にもなりますので注意が必要です。
再発を繰り返さない限り、通常は10日~20日程で表面から剥がれ落ち治っていきます。
夏に良く汗をかくため悪化して、冬には軽快することが多いようです。
白癬菌症について
白癬菌症(水虫)と症状が似ているため混合されがちですが、菌は存在しないため感染の可能性はありません。但し、白癬菌症(水虫)の持病がある場合は皮膚科で検査します。
検査は、剥がれかけの幹部を切除して顕微鏡で検査すればその診断がわかります。
特に足にジクジクした白癬菌症(水虫)がある場合は菌は存在しないものの、白癬疹という手のひらや指先に小さな水泡が発生することがありますので皮膚科での受診が必要です。
金属アレルギーの疑いがある場合は貼布試験(パッチテスト)を受けます。
治療法-ステロイド軟膏
汗疱状湿疹の治療法
汗疱状湿疹が発生した場合は一般的に経過を見守ることが必要です。
症状が悪化してきた場合は治療の第一選択肢としてステロイド外用薬による治療が有効です。
また、皮膚が剥がれ落ち落屑が酷い場合や乾燥するときには尿素含有軟膏を手洗い後に塗ります。
場合によっては痒みや炎症を抑えるために、抗アレルギー薬の飲み薬を処方する場合があります。
- ステロイド外用薬
- 尿素含有軟膏
- 抗アレルギー薬
外用薬(軟膏)
マイザー軟膏
成分 | ジフルプレドナート0.5mg |
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種類 | 副腎皮質ホルモン(ステロイド) |
汗疱状湿疹に最も即効性と治療効果が高いのがマイザー軟膏です。
一般的にクリームタイプのステロイド軟膏が治療に選択されることが多いですが、かえって皮膚がガサガサになることがあります。
マイザー軟膏は、ステロイドとしては二番目の強さで極めて即効性に優れています。
悪化したときに使用して、軽快時は中断するなどの方法をとることによって長期にわたって副作用を気にせずに使用することが可能です。
汗疱状湿疹は再発性の湿疹です。上手く対処することによって病気と付き合っていくことが必要です。
尿素含有軟膏
成分 | 尿素 |
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種類 | 皮膚軟化剤 |
尿素含有軟膏は皮膚にうるおいを与える塗り薬です。水洗いの後などに乾燥した部分に用います。
尿素には、皮膚の角質層の水分を保持する作用があります。長期に使用しても、副作用の心配はありません。
炎症や亀裂をともなう部分には、かえって刺激になることもあるため注意します。補助的な治療法として使用します。
汗疱状湿疹の自己ケア
汗疱状湿疹になっても軽度に症状が経過している場合は特に治療しません。
痒みがなく、数十日程度で軽くなる場合は、水仕事の時はゴム手袋を使用したり、剥がれた皮膚を剥ぎ取らないように注意して様子をみます。可能であれは高温多湿をできるだけ避けるようにします。
また、歯科用アレルギーに関してはアレルギーが原因であるという診断結果が出る場合に限り歯科用のインレー(詰め物)等を交換することもあります。但し、そのような治療を受ける人は稀です。
汗疱状湿疹は誰にも起こり得る再発性の湿疹ですので、自己ケアと治療によって長年にわたって対処していくことが必要です。
治療法-オメガ3脂肪酸(DHA)
汗疱状湿疹の治療法
汗疱状湿疹の治療法としてオメガ3脂肪酸の摂取は非常に効果があるといわれています。
—オメガ3脂肪酸(DHA・EPAなど)の摂取—
私達が食べる毎日の食事で簡単実践できる、体の中から汗疱状湿疹を改善していく方法です。
それは、「オメガ3脂肪酸」を含む食べ物やサプリメントを、積極的に摂取するということです。
米国では汗疱状湿疹は皮膚の炎症をきっかけとして起こるものと考えられており、その皮膚の炎症をおさえるためには、魚油に含まれるDHA・EPA、フラックシード・オイル(亜麻仁油)など、オメガ3脂肪酸の摂取が非常に有効であるといわれています。
地域のスーパーマーケットで売られている食用油のラベルには、αリノレン酸の食用油もオメガ3脂肪酸を含まれています。
ドラッグストアではDHAやEPAのサプリメントが、オメガ3脂肪酸(ω-3 fatty acids)ですので、身近なところでもわりあい簡単にオメガ3脂肪酸を見つけることができます。
日常生活における汗疱状湿疹のケアとして、オメガ3脂肪酸の積極的な摂取を心がけて、内側から改善していきましょう。
オメガ3脂肪酸(DHA)のサプリメント
ディアナチュラDHA
成分 | DHA含有精製魚油 |
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原産国 | 日本 |
「ディアナチュラDHAwithイチョウ葉240粒」は、必須脂肪酸DHAを4粒中に500mg配合したサプリメントです。さらに、イチョウ葉エキスをプラスしました。低価格高品質で香料・着色料・保存料無添加。
サプリメントの注意点
サプリメントは薬と違い、通常臨床試験はされていません。
安全性を確認するために健康な人が飲んでみるテストはされていますが、実際に人を使って検査されてはいません。
サプリメントは同じ成分が含まれていると謳っていても、その量はメーカーによって大きく違います。成分含有量が途中で変わったりする可能性もあり、最適な量を調べる臨床試験もしていません。
添加物も効き目に影響するはずですが、製品によって大きく異なります。メーカーが添加物を途中で変更することも可能です。薬ではないため、成分表示さえしていれば特に規制はありません。サプリメントの場合、同じ名称で販売していても、同一品質は保証されていないのです。
そのため、消費者側が安心できる各メーカーの製品を選ぶ必要があります。